アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十二話 悲しき別れと再会の予兆
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剣から繰り出された五連撃は死神をノックバックさせながらダメージを与えていく。その連撃が終わりを告げると、もう好き勝手させまいと死神は大鎌を振りかぶり横薙に薙ぎ払うが、刃が当たる直前にソレイユは彗星のように光の尾を引きながら死神に向かって突っ込んでいく。
最上位細剣技 ≪フラッシング・ペネトレイター≫
「・・・っ!?」
「残念だったな」
刃が当たる前にソードスキルを発動し突進していったため、死神の刃はソレイユにあたることはなく空を切り、死神は≪フラッシング・ペネトレイター≫のダメージを食らってしまう。ソレイユは長い滑走を経ながら体制を整える。
死神のHPはイエローゾーンの中ほどにまで達し、このままいけば死神を倒せるのだが、そこへ一つの小さな影が歩いてきた。その陰の正体は、安全地帯にいるはずのユイだった。
ユイはソレイユの前に立つと、恐れなど微塵もない視線で死神をまっすぐ見据えている。
「・・・ユイ?」
「大丈夫だよ、にぃに」
ユイの行動を訝しげに見ているソレイユ。そんなソレイユに一声かけ前に立つと、ユイの体はふわりと宙に浮いた。
「・・・・・・・」
異様と言える光景にソレイユの後ろでアスナたちが驚いていたが、そんなことは無視してソレイユはユイの姿を冷静に驚くことなく見据えている。
死神は突然現れたユイにもユイが浮いていることにもお構いなしに、無情にもユイに向かって大鎌を振り下す。しかし、それがユイに届くことはなかった。紫の障壁がその攻撃を阻んだのだ。その障壁にはこう書かれていた。
【Immortal Object】
不死存在と書かれたその障壁は、通常のSAOプレイヤーにはないものである。その直後にさらにありえないことが起こった。ユイの右手から紅蓮の炎が巻き起こり、一本の剣を形作った。アスナが着せたであろう冬服も一瞬で燃え落ち、白い質疎なワンピースを着ていた。そして、自身の身の丈を超える大剣を死神に向かって一振りすると、その死神は断末魔のような叫びを上げながら、燃え散っていく。
「ユイ・・・ちゃん・・・」
掠れた声でユイの名前を呼ぶアスナ。先ほどの光景がいまだに信じられない様子であった。それはアスナだけではなく、ルナもキリトも同じような状態だった。しかし、ソレイユはほかの三人とは違い、動揺することなく驚くほど冷静な瞳でユイを見据えていた。
アスナの掠れた呼びかけに応じるようにユイはふり向くと、微笑みながら、しかし、瞳に涙をためながら静かに言った。
「パパ・・・ママ・・・にぃに・・・ねぇね・・・。ぜんぶ、思い出したよ」
◆
「うそ・・・だろ・・・っ!?」
「そんなの・・・」
ユイの説明を聞いたキリトとアスナはそう呟き、いまだにユイの言葉が信じられ
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