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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第10章 エル・ファシル掃討作戦 中編-A
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を検討したい。
連隊長と交渉する時間をくれ。」
すると瞬時に中佐は
「拒否する。
貴官らで考えてほしい。」
すると大尉はこっちを向いた。
私はうなずいて
「捕虜を養えるだけ同盟軍は金持ちじゃないですから。
しかも、この基地司令の大佐は捕縛しました。
十分でしょう。」
大尉は
「そうだな。俺も同感だ。」
そして
「了解した。
貴官らを解放する。」
すると中佐は
「感謝する。」
と言って手榴弾をおろし、部下に帝国語で武器を捨てるように命じた。
帝国軍兵士たちは安心した表情で武器を捨て始めた。
ローゼンリッター連隊側は状況が呑み込めずそのまま武器を構えていた。
すると、中佐が歩いてきて
「中央管制室はすでに武装解除済みだ。」
と言って中に案内した。
私たちは敵の罠の可能性ありとして本人たちには形式上とはいったもののとりあえず手錠と監視兵を置いた。
中佐についていって中に入る。
そこには降参を示すために手を挙げた帝国軍の航空管制官たちが20名ほどいた。
本来殺す相手をまじまじと見るのは変な感じがした。
私は連隊本部に作戦完了を報告し、捕虜の取り扱いについても報告したところいきなり
「バカヤロー!」
とヴァーンシャッフェ大佐が怒鳴り散らしてきた
びっくりして無線機を落としそうになった
その後20分近く、指揮権の越権行為だのどうだのと騒ぎ始めいきなり
「この時刻をもって貴様の第3中隊指揮権を剥奪する。」
と宣告され、30分後に憲兵隊が私を連行することになってしまった。
ブルームハルト大尉が割って入って事情を説明したが大佐は「無理」とか「貴様に関係ない」だのいろいろと言って大尉を退けた。
そして、第2攻撃任務軍のベイ少佐に率いられた憲兵隊が私を逮捕しに来た。
この少佐は大尉時代の時に私の士官学校教官の人で良い教官だった。
少佐は形式的にいろいろと条文を読み上げると私を逮捕したが、耳元で
「お前が悪くないのはわかってる。
どうにかするから待ってろ。」
とアルレスハイムの時アーロン少佐に言われた時と同じことを言われた。
中隊員たちが心配そうにこっちを見ている。
私は連隊本部のヘリに乗せられる前に笑って彼らに言った
「必ず無罪を証明して戻ってくる
それまで生き残れ!」
中隊員たちは整列して敬礼を返してくれた。
こうして私にとってのエル・ファシル掃討作戦における3つの山のうち1つは越えた。
当時の私はまだ2つの山があることなど知らず、知るはずもなかった。

宇宙歴793年 3月19日のことであった
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