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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第10章 エル・ファシル掃討作戦 中編-A
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ばぜり合いをしながらさっきの少尉を見るともだえ苦しみながら咳をしていた。
肺の中に血がたまっているのだろう。
長く持たない。
大量出血であと3分も持たないうちにあの世行きだろう。
私は腹を決めた
つばぜり合いをしている敵兵を胴フェイント面でやっつけてからコンバットナイフを引き抜き倒れている少尉へ近づいた。
彼は咳をしながら私のほうをにらみつける。
私が憎いだろう。
しかし、私だって帝国が憎い
私の父を陰謀にはめ
母を殺し
兄を連れ去り
叔父を戦死させ
部下を大勢殺された
しかし、個人自体はにくいと思ったことがなかった
目の前に倒れている少尉は年端から見て19ないし18歳
茶髪の端正な顔をしていた少年であった
もう助からないな
実力の差でこうもなるのか
自分も明日は我が身の可能性をぬぐえないまま戦い続けている。
そんなことを考えながら彼のトマホークを彼が持てないように遠くへ蹴って、彼のそばしゃがむ
私はは自分に言い聞かせた
迷うな。
一撃で彼を苦しみから解放させる。
それだけだった。
彼は咳をしながら私を見て私の手を握っていた。
彼は帝国語で一言
「くたばれ」
とののしって最後の力を振り絞って腰に挿していたナイフを抜き取ったのだ!
私は衝動的に立ち上がりストレートに彼のコンバットナイフをもっと右手を踏み潰してそのまま自分のコンバットナイフを彼の胸部へ突き立てた
彼の胸部から血があふれ出す。
すると彼は動きを止め
そのまま目を閉じた
私はすぐさま立ち上がって次の標的へ向かった
頭の中が混乱していた
なぜそんなことをしたのか
なぜ一撃でできなかったのか
そんなどうでもよいことが頭の中をくるくる回っていた。
結局15分にわたる白兵戦を制して我々は前進を開始した。
目標まであと2ブロックに迫ったところでわれわれはさっきのとは異なる抵抗にあった
なんとそこには擲弾装甲兵部隊がおりそれもわれわれの2倍はいた。
しかし、そんなことでくじけるわれわれではないのですぐさま撃破すべく果敢に攻撃を開始した。
一人目の伍長は貫胴で
2人目はその流れで面を一発で決める。
5人目までは流れで行けたがそれ以降の兵士とくに14,5人目は特に手強かった。
私の背より10p近く高い中佐の階級章を付けた若い士官であった。
少しでも気を抜けば負けてしまうこの白兵戦。
そして、われわれはお互いに同じ騎士であるという意識がある。
だからこそお互いに最大の敬意をもってトマホークをふるう。
また火花が散る
お互いに距離を取ってにらみ合う。
私は上段の構えを
彼は下段の構えを取る
幾分の隙もない
お互いに防御プラスチックの内側からにらみ合う。
どこからでも来いという感じであった
お互いに敵の隙を探す
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