機動戦艦ナデシコ
1272話
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出来るものではない。
その操船技術を見るというのは、副操舵士であるエリナにとっては間違いなく利益になると思うんだが。
「何よ、私が出撃前に見送りに行くのはそんなにらしくない?」
「そ、そんな事ないですよ。俺はその、嬉しいですし」
「……あら、ありがとう」
何故かテンカワがエリナに答えると、その言葉を聞いたエリナが少し驚いた様子でそう答える。
艦長からテンカワ、テンカワからエリナ。……完全に一方通行の三角関係に発展してるな。
「アクセルも、テンカワ君みたいに嬉しそうにしていいのよ?」
挑発するような流し目を向けてくるエリナだったが、それに対する俺の返事は肩を竦めるというものだけだ。
「お前が心配なのは、俺じゃなくてミロンガ改だろ? 連合軍の攻撃で機体が破壊されないようにってな」
「ま、まさか。私はアクセルも心配しているわよ?」
そこでアクセル『の』じゃなくて、アクセル『も』と言ってる辺り、本音が透けて見えているよな。
まぁ、それを承知の上でエリナとやり合ってるんだから、別にいいんだけど。
そんな風に考えながら格納庫へと到着し、俺とテンカワはそれぞれ自分の機体へと向かい……
「ちょっと、アクセル! パイロットスーツ! パイロットスーツを忘れてるわよ! 地上での戦いじゃないんだから、パイロットスーツを忘れるなんて、死ぬつもり!?」
真っ直ぐにミロンガへと向かう俺に対し、エリナが後ろから叫ぶ。
……ああ、そうか。俺の場合は宇宙でも普通に生き残る事が出来るから気にしてなかったけど、普通ならパイロットスーツが必要だよな。
シャドウミラーとして活動している時も、俺はパイロットスーツを着ていない。
その流れですっかり忘れていたけど……この世界の人間にしてみれば、俺はあくまでも人間。
心配するのも当然か。
ともあれ、ここで言い争っていてもしょうがないので、大人しくエリナからパイロットスーツを受け取るのだった。
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