機動戦艦ナデシコ
1272話
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……まだよく分からないけど、火星に行く為なんだし頑張ってみるよ」
「そう? じゃあお願いね」
テンカワが戦力になるとはっきりと断言した為だろう。俺達の話を聞いていたエリナが笑みを浮かべてテンカワへと視線を向ける。
その視線を受けたテンカワが薄らと頬を赤くし、それを見た艦長が嫉妬して不機嫌になる。
にしても、何だってテンカワがエリナにこうも入れ込んでるんだろうな? 艦長とは全く違うタイプだからか? だとしたら艦長涙目だな。
艦長は、何と言えばいいのか……精神的にまだ幼い? うん、そんな感じだ。
それに比べるとエリナは既に20代という事もあって、自立している。
恐らくだけど、艦長に言い寄られているテンカワにとってはエリナの大人故の距離感が気持ちいいんだと思う。
勿論エリナの場合は外見も整っているから、それも関係しているんだろうけど。
「デルフィニウム部隊の方は、バリア衛星に向かう前に出来るだけ数を減らした方がいいんじゃないんですか?」
メグミの口から出たのは、ある意味当然の疑問。
実際問題、バリア衛星にハッキングを仕掛けている間、ナデシコは身動きが出来なくなる……とまではいかないが、動きが鈍るのは確実だ。
これは、オモイカネのオペレーターでもあるルリからの情報だから間違いない。
だとすれば、その時にナデシコを守る俺達が戦う相手というのは、戦闘衛星から撃たれるミサイルとデルフィニウム部隊。
なら前もってそのデルフィニウム部隊を減らしておく方がいいって意見は決して間違ってはいない。
いや、純粋に軍事的な目で見れば間違いなく正しい選択だろう。
だが……そこに軍事的な目的以外、それこそ高度に政治的な判断ってのが必要になってくると話が違ってくる。
「折角連合軍から受ける敵意を低くしようとしているのに、ここでデルフィニウム部隊を積極的に攻撃してしまえば意味ないでしょ? それをやるなら、最初からバリア衛星の破壊を目指すわよ。……そういう訳で、いい? 出来るだけ専守防衛を心掛けてね。積極的に攻撃するというのは禁止よ。……特にアクセル」
エリナが俺の方を見ながらそう告げてくる。
「いや、何で俺限定だよ」
「だってテンカワ君は攻撃に積極的じゃないでしょ? それに比べて、アクセルは色んな意味で攻撃的だし」
「ああ、うん。確かにアクセルって攻撃的よね」
エリナの言葉にハルカが頷き、他の皆も同意だと言いたげに頷いている。
……テンカワの件で拗ねていた艦長までもが頷いていた。
唯一の救いはフクベ提督がそれに同調していない事だが、それだってぶっちゃけ居眠りしているんだと考えれば不思議じゃない。
いや、本当に寝てるんじゃないだろうな? 提督といっても、ようはアドバイサーやご意見番
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