後編
8.約束の行方
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ュースキャスターが戦争の悲惨さを伝えるためなのか何なのかは知らないが、崩壊した俺の店の瓦礫を手に取り、必死に何かを伝えていた。俺には、キャスターの言葉がまったく耳に届かなかった。
フと、画面の端っこの方に、昼寝ポイントが映った。本当にチラッとだったからハッキリとは分からなかったが、昼寝ポイントはなんとか被害を免れたようで、あの大きな桜の木が無事だったのが見えた。
「そっか……ハハ……加古、昼寝ポイントは無事だったみたいだ……よかったな」
一つでも俺の知ってるものが無事だったということが、妙にうれしかった。
「よかった……無事だったんだ……ひぐっ……」
そしてその日も俺は何もせず、母ちゃんの晩飯を食った後、そのまま眠った。
翌日。そろそろ何かを始めないとマズい。貯金はある。新しい店でも始めようか……そんなことを考えながら、昼飯を食い終わったときのことだった。
――ハル お客さんよ
聞き覚えのある懐かしい声が聞こえ、俺の意識が昼飯を食い終わった皿から離れたとき、家のインターホンが鳴り響いた。
「はいはい?」
一瞬出ようかどうか迷ったのだが、暁ちゃんに事前に告知されてしまったのだから、ここで出なければ気持ちが悪い。俺は皿を台所に置き、そのまま玄関へと向かった。
「やー。ハル兄さん。久しぶり」
「お前……」
意外だった。開いたドアの向こう側にいたのは、妖怪おさげ女の北上だった。
北上を部屋に上げ、茶を準備してやる。北上は俺の部屋に入るなり、『か◯◯りサ◯◯ス』の単行本を本棚から束で取り出し、畳の上に寝転がってそれを読み始めた。
「お前変わってないなー」
「だってまだこれ読み終わってないもん。あの日にハルがくれた本は全部燃えちゃったしさー。続きが読みたかったんだよ」
「……とりあえず茶を淹れてくるから待っとけ」
「ありがとっ。ハル兄さん」
お茶とお茶請けを持ってきた俺は、それを北上に振る舞ってやりながら部屋の入口を背後にして座る。北上は俺が茶を運んでくるやいなや、マンガを読むのをやめて姿勢を正し、お茶とお茶請けに手を伸ばした。
「よくここが分かったな」
「まぁねー。ハルが来る前に、みんなでハルの情報は見てたからね」
「……それを覚えたっつーのか?」
「んーん。それもあるけど……あの日、戦いが始まる前にね。提督が言ったんだよね」
――執務室に、ハルの履歴書を隠しておいた。
生き残ったら、その情報を辿ってハルの実家に行け。そしてハルに会え
今後のことは、ハルに力になってもらえ
なるほど。それでここが分かったのか……俺は提督さんにみんなの未来を託されたってことなのか……
「そして来たのが、お前ってわけか……」
「そ
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