第四十七話 柴山少佐!漫画は藤子不二雄先生!!その十二
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ここでだ、こうも言った二人だった。
「よし、今から採点だな」
「採点開始だな」
「さあ、審査員の人達頼むぜ」
「公平に採点してくれよ」
「俺達の勝ちだな」
「完成させてるんだからな」
「一コマでも」
審査委員長の永井賢先生さんが忌々しげに言った。
「未完成ならな」
「だよな、やっぱり」
「完成させてないからな」
「その分大きいだろ」
「それも相当にな」
「その通りだ」
やはり忌々しげに言う永井先生だった。
「決定的だ」
「つまり俺達の勝ちだな」
「今回もそうだな」
「いやあ、負けるってどんなのだろうな」
「敗北の味っていうのを知りたいな」
周囲に嫌味をこれ以上はないまでに込めて言う。
「負けたらこの作品終わりだけれどな」
「ヒーローはいつも後がないんだよ」
「けれど俺達は勝った」
「連戦連勝だぜ」
「その俺達にどうして勝つか」
勝ち誇る言葉は続く。
「その勝ち方はないだろ」
「俺達は常勝の天才だぜ」
「負けることなんて有り得ないんだよ」
「この黒い雨は漫画の天敵」
「それを使った俺達の勝利だ」
「もっとも場も真っ黒になったけれどな」
「おい、折角の建物がベタで真っ黒だぞ」
地元の人が抗議した。
「どうするんだよ」
「こんなの三日もあれば落ちてるぜ」
「自然に落ちるインクなんだよ」
「普通に雨で落ちるぜ」
「そこは普通のインクとは違うぜ」
墨、インクは残る。それこそ何千年も。
「ちゃんとその辺り考えてるぜ」
「作者のご都合主義でな」
「ご都合主義でもその辺りは考えてるさ」
「環境とか歴史遺産のこともな」
そうしたことは考えているのが二人だ。
「ちゃんとな」
「それでいいだろ」
「三日でインクは取れる」
「もう何もないぜ」
こうしたことを話してだ、そしてだった。
尚武が尚智にだ、こう言った。
「兄貴、じゃあな」
「ああ、いつものあれやるか」
「あれをやらないと駄目だろ」
「しっくりこないからな」
尚智もこう言って頷く。
「やらないとな」
「よし、やるか」
こう二人で話してだ、そして。
二人は瞬時に背景が旭日になっている白波立つ海の中にある岩場の上に立ってだ、それぞれ腕を組んで。
そのうえでだ、誇らしげに言った。
「正義は勝つ!」
「やかましい!」
「とっとと死ね!」
今回は手裏剣が二人を襲った。
「地獄に落ちろ!」
「いい加減死ね!」
「喰らえ忍法手裏剣嵐!」
見れば甲賀忍者の末裔の松坂さん(モブです)が手裏剣を嵐の様に放っている。手裏剣達は二人が放つものだった。
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