第四十七話 柴山少佐!漫画は藤子不二雄先生!!その十一
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「しかし護あさなさんもよし」
「あの胸最高だぜ」
「よし、じゃあな」
「あの人の胸最高だぜ」
「今回はあの胸楽しむぜ」
「身体全体もな」
青少年らしい煩悩も露わにする二人だった、そして。
二人は原稿を完成させるとだ、原稿用紙をビニール袋に丁寧に包んで完全に密閉したうえで鞄の中に入れて完全ガードしてだった。
そこからだ、二人で両手を天に掲げて呪文を唱えだした。
「オペレーションゴー!」
「ブラックシャワー!」
「何処が呪文だ?」
すぐに突っ込みが入った。
「ただいつもの作戦名だろ」
「全然呪文じゃないぞ」
「毎回毎回ネーミングいい加減だな」
「何も考えてないだろ」
「本当にこの二人芸がないな」
「そう言っていられるのも今のうちだぜ」
「そうだよ、今だけだぜ」
こうドヤ顔で言うのだった、仮面の下で。
「見ろ、俺達の今回の秘策!」
「今からはじまるぜ!」
こう言ってだ、二人が両手を掲げ終えるとだった。
空が急に暗くなりだ、暗雲が漂い。
そこから雨が降った、その雨は。
「何っ、黒い雨!」
「しかも土砂降りだぞ!」
「ゲリラ豪雨か!」
「今は十月だぞ!」
今季節を決めた。
「これが二人の今回の自称秘策か!」
「しかもこの雨水じゃないぞ!」
「インクじゃねえか!」
「場がどんどん真っ黒になってくぞ」
「どうだ、サムライガールズのぼかしも真っ青の黒さ!」
「辺り一面真っ黒だぜ!」
二人は傘をさしつつ誇らしげに言う。
「急に降って来たぞ!」
「インクがな!」
「さあ、俺達は原稿を守ってるけれどな」
「相手はどうだ?」
柴山と瞬はというのだ。
「守れてるか?」
「どうだ?」
「何とかやったわよ」
瞬はその雨の中だ、真っ黒になった姿で二人に返した。全身ベタという実に描きやすい格好になっている。
「私達もビニールで覆ってね」
「鞄でガードもした」
「けれどね」
「原稿の最後の一枚がだ」
それがなのだった。
「ベタを忘れた」
「一コマだけね」
「そして今制限時間切れだ」
「そうなったわよ」
「そうだよな、原稿完成してないよな」
「俺達はもう完成してるぜ」
笑って言う二人だった。
「この差大きいよな」
「一コマは一コマでもな」
「その一コマが大きいだろ」
「それこそ絶対の」
「その分が俺達の勝ちになるな」
「完成させてるんだからな」
その漫画をというのだ。
「幾ら出来がよくても完成させてないと駄目だろ」
「臥龍点睛を欠くだよな」
「これで今回も俺達の勝ちだな」
「秘策が炸裂してな」
笑って言うのだった、ここで雨が止んだが。
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