第四十七話 柴山少佐!漫画は藤子不二雄先生!!その七
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「そうする為にだ」
「ああ、使えるな」
「そうだよな」
ここで観衆の人達も気付いた。
「サイン貰ってるとな」
「ちゃんとそういうのに使えるな」
「捜査にな」
「こいつ等容疑者として拘束出来るな」
「邪魔者が消えるな」
「それだけでな」
このことに気付いたのだった。
「よし、じゃあな」
「サイン貰うか」
「是非な」
「そうしような」
「おい、サインしてくれ」
「色紙にちゃんとな」
あらためて二人に言うのだった。
「警察に出しておくからな」
「ほら、早く書け」
「変な事件あったら御前等すぐに容疑者だ」
「そっから冤罪で捕まれ」
「無罪でもいいから臭い飯食ってよ」
「うるせえ、誰がサインなんかするかよ」
「そんなのこっちからお断りだぜ」
瞬時に掌を返す二人だった。
「サインなんかするか」
「誰がするかよ」
「ちっ、もうな」
「そんなことしなくてもな」
「俺は死なないぜ」
「絶対にな」
こう言ってだ、サインペンを収めた。そして。
警部と観衆にだ、それぞれ中指を突き立てて言った。
「そんなのするか」
「誰が警察の策に乗るか」
「警部さんはさっさとパリに帰れ」
「というか何で日本にいるんだよ」
「観光で来た」
休暇を利用してだ。
「それで来たのだが」
「ちっ、そうかよ」
「それで来たのかよ」
「わざわざパリからな」
「そうしてきたか」
「さっさとパリに帰れよ」
「それでジャン=バルジャンと戦ってろ」
それこそというのだ。
「あの人無罪だけれどな」
「そもそも些細な罪だったよな」
教会から銀の食器を盗んだ、窃盗である。犯罪は犯罪であるがそれでも殺人等に比べれば軽い犯罪である。
「それでずっと追ってるとか」
「あんたもしつこいな」
「けれど正義感は強いんだよな」
「ケナルディから人を守ろうとしているな」
こう言うのだった。
「いい人だよな」
「責任感のある刑事さんだよ」
「だから作者あんた嫌いじゃないぜ」
「俺達もな」
二人で言うのだった。
「今ここに来ても安心してるぜ」
「生きていてな」
「よかったよ、時空も作品も超えて生きていて」
「これからも達者でいろよ」
「そうか、サインはしないか」
まだ言う警部だった。
「フランスに来た時は君達は即座に拘束される」
「犯罪はしてなくてもか」
「それでもか」
「そうだ、君達の数々の卑劣な行為はフランスでも知れ渡っている」
全世界に知れ渡っている、そもそも。
「だからだ」
「拘束してか」
「嫌がらせをするのか」
「嫌がらせではない、市民達が糾弾する」
フランスの彼等がというのだ。
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