おかえりフロッシュ
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グラシアンside
ギルドの一室、ここには今、剣咬の虎の全メンバーが集められている。
「天を轟かせ、地を沸かし、海を黙らせる。それが剣咬の虎だ」
全員と向き合うように椅子に腰掛け、そういったのは現在うちのマスターをしているスティング。彼の普段の優しげな雰囲気から一転、彼は眉間にシワをよけ、気難しい表情をしている。
「服を・・・脱げ」
「はい。仰せの通りに」
先頭にいる星霊魔導士。その女性はかつて、前マスターにも同じようなことを言われていた。彼女は頬を赤く染め、身に纏っている衣類を脱いでいく。
それを見た白き竜はニヤリと口角をあげる。だが、それだけでは終わらない。彼女の後ろにいる魔導士たちも皆、一斉に服を脱ぎ捨てたのである。その理由は・・・
「俺たちのプールが完成したんだからな!!」
「「「「「イエーイ!!」」」」」
「おめでとうこざいます!!」
服の下に着ていた水着になるため!!水着になった虎は皆、完成したばかりのプールに飛び込んでいく。
「はしゃぎすぎだ、スティング」
「てかさっきの・・・いる?」
長めの髪を後ろで束ね冷静を装っているのは三大竜の一人、ローグ・チェーニ。そして先程のよくわからない行動に突っ込みをいれるはもちろんこの俺、グラシアン・カイザーだ。
「この気持ちよさ、記憶にないね」
浮き輪に入り浮かんでいるルーファスがそう言い、プール発案者のスティングがおおはしゃぎで泳ぎまくっている。
「ギルドの中にプールなんて、誰も思い付かねえだろ!?」
「確かに、そんなギルドは記憶にないね」
「プールがあるギルドなんてうちだけだぜ!!」
ユキノの水を掛け合うスティングが大笑いしながらそう言っているが・・・俺の記憶だとずっと前にギルドにプールを作った荒くれ集団がいたような・・・言わないでおくか。
「ほおれほれ!!」
「よせ。ガキかお前は」
「お前が大人すぎなんだよ」
ローグと俺にもバシャバシャと水をかけまくるスティング。彼に呆れた様子のローグががそう言うが、プールなんだし面白ければいいだろう?
「スティングくん!!」
「グラシアン!!」
プールで大騒ぎしていると、入り口からスティングと俺を呼ぶ声が聞こえたため、全員がそちらを見る。そこには街に服を買いにいったはずのレクターとキセキが血相を変えてやって来ていた。
「どうした慌てて」
「あれ?フロッシュは?」
二人はローグの相棒であるフロッシュと三人で街に繰り出したはず。なのに帰ってきたのはたったの二匹。どういうこったぁ?
「大変なんだよ!!」
「買い物の途中でフロッシュが行方不明になっちゃいましたぁ!!」
「マジか?」
「フ
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