第2章:埋もれし過去の産物
第35話「狂気に堕ちし緋き雪」
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それらの拘束で腕、足、胴を抑える。
一気に魔法を行使し、魔力を消費する事で頭に痛みが走るが、構ってられない。
...幸い、何重にも拘束を施したおかげで、司さんに攻撃が行くことはなかった。
「つか、ささん...!逃げろ...!今の緋雪は....普通じゃない!!」
「っ....!?」
「....もう、邪魔!!」
バチィイッ!!という音と共に、全ての拘束が千切れる。
...おいおい...あまり魔力が感じられなかったって事は、ほぼ素の力かよ...!
「っ....!逃げろ!」
「し、志導君は!?」
緋雪に斬りかかり、司さんにそう叫ぶ。
言った通りに逃げようとする司さんは、僕にそう言うが...。
「...兄として、責任もって足止めするさ...!」
「そんな....!?」
司さんと共に逃げるのは、少しばかり危険だ。
なら、一人でも逃げられる僕が足止めした方が、片方は確実に助かるからその方がいい。
「あはっ、逃がさないよ。」
―――ジャララララ!
「残念だけど...しばらく僕の相手をしてもらおうか...!」
司さんを再度攻撃しようとしたのを、僕が創造した鎖を腕に巻きつける事で阻害する。
「...ふふっ、それっぽっちなの?力は?」
「え?うおっ!?」
デタラメな力で鎖を引っ張られる。
やばっ、このままだと....!
「っとぉっ!?」
「...あれ?」
魔力を固め、そこに手をついて逆立ちの要領で上を取る。
振られたシャルはそれによって空振り、上手く攻撃を避けた事になる。
「(カノーネフォルム....は、さすがに威力不足か?)」
カートリッジを弾丸として撃ち出して攻撃しようとしたが、威力固定なカノーネフォルムだと緋雪の力には弾かれてしまうため、却下する。
「(...とりあえず、司さんは逃げ始めたか。)」
司さんは逃げ始めたので、感知できなくなるまで離れた所を見計らって僕も逃げるか。
「(それまでは....。)」
「ふふ...あはは...ムートと同じ事ができるんだ...。見た目だけじゃなくて、魔法も似てるんだね。....全く、癪に障るよっ!!」
「(こいつを抑えるのか....!!)」
何かが琴線に触れたのか、さらに魔力が爆発する。
...U-Dと言い、なんで僕はこんな強敵とばかり戦うんだよ...。
「あはっ、シャル!」
〈“レーヴァテイン”展開。〉
杖形態のシャルに炎のような魔力が纏わりつき、それが大剣と成す。
...今までよりも大剣の強さが違う。僕はそう直感した。
「リヒト、カート
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ