第2章:埋もれし過去の産物
第35話「狂気に堕ちし緋き雪」
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
すぐさま体勢を立て直し、追撃を喰らわないようにする。
「(どうなってる!?どうして緋雪は乗っ取られた!?闇の欠片にそんな力が!?それとも緋雪にそんな力があったのか!?)」
今度は攻撃を受け流さずに積極的に避ける。
避ける度に攻撃の余波が魔力の足場を木端微塵に砕く。
「(...違う。なにか決定的なモノを見落としている...!)」
避ける。避ける避ける避ける。
その合間に、緋雪に対して解析魔法を掛ける。
―――人物名、志導緋雪/シュネー・グラナートロート
―――所持品、シャルラッハロート
―――状態、覚醒・悲哀/狂気
「(....“シュネー・グラナートロート”....?)」
見覚えのない名前だ。
だが、そのはずなのに、懐かしいような、居た堪れないような感覚になる。
〈シャルラッハロート!貴女はまた....!〉
〈私はお嬢様が最優先。お嬢様が言うのなら、貴女にだって容赦はしない。〉
...どうやら、シャルも敵に回っているようだ。
「あは、あはははは!緋雪になってから随分と“お兄ちゃん”にはお世話になったね!だから、殺すのは最後にしてあげる!あは、あははははははは!」
「くっ....!」
叫びつつ振るわれるシャルを躱す。
“最後にしてあげる”と言う割には完全に殺す気じゃないか...!
「(だけど、U-Dと違って逃げられない訳じゃない!ここは態勢を立て直して...!)」
剣をいくつか創造して射出し、操作する事で動きをほんの少しだけ阻害する。
...すぐ壊されたけど。
...だけど、それだけで十分。
「っ......!」
緋雪から逃げ出す。
別に、臆病風に吹かれた訳じゃない。このまま戦っても負けるだろうから撤退するだけだ。
「(...ま、ただ逃げるだけじゃ追いつかれるけどね。)」
追いかけてくる緋雪に対して、武器を創造して射出する。
ダメージは一切与えられないけど、これなら少しだけ遅くできる。
「(よし、このままなら.....っ!?)」
逃げ切れる。そう思った矢先に、視界に司さんが入る。
しまった...!司さんが追い付いてしまった...!
「...あはっ♪」
「っ....!」
「司さん!!」
司さんに緋雪は気づき、そちらへと襲い掛かる。
司さんは構えるけど、さっきまで相手にしていた闇の欠片とは格が違うんだ...!
「....ッギ.....!!」
「く...ぅう......!?」
「し、志導君!?」
リングバインド、チェーンバインド、“創造”による鎖。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ