第2章:埋もれし過去の産物
第35話「狂気に堕ちし緋き雪」
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...まるで、それが私自身の記憶であるかのように。
―――ムートは...!ムートは!!
「(...ああ、なんか思い出したかも...。)」
“私”の感情と、私の感情が段々と全く同じになっていく。
忘れていた記憶を思い出すかのように。
―――....もう、いい。
「(....そうだよ。彼がいないならもういいんだよ。)」
―――....もう、いいよ。皆...ミンナ、壊レチャエ!!
「(ムートがいない世界なんて!いらないよ!!)」
もう、第三者のように私は見ていない。
“私”は私なんだ。緋雪は、シュネーだったんだよ...!
「『アハ、アハハハハハハハハハハ!!』」
シュネーと緋雪の声が重なる。
...もう、全部思い出した。
私が人体実験で吸血鬼にされた事も。
私はずっとムート達に助けられてた事。
私の目の前でムートが殺されてしまった事。
....私が、狂気を持っているって事。
「アハハハハハ!そうだ!そうだよ!ずっと、ずっとずっと疑問だったんだ!フランの特典を貰ったとはいえ、どうして吸血鬼になった途端狂気に呑まれるんだろうって!」
止まらない。停まらない。トマラナイ。
狂気は抑えられない。抑えない。
...だって、これが私の本当の姿なんだもん。
「当然だよ!だって、私はずっと狂気を持ってた!ムートが殺されたから狂った!当たり前だよ!大好きな人を目の前で殺されたんだもん!狂いたくもなるよ!!」
まだ私の記憶は続いている。
「楽しい!愉しい!タノシイ!!」
心の...狂気の赴くままに、ムートを裏切った...偽善を振りまく人間共を殺す。
嗚呼...なんて楽しいのだろう!
「あはははははは!あは、あはははは....!」
記憶は段々と早送りになる。
人間を殺して、殺してころしてコロシテ...。
殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して!
―――もう、止められない。止まらない。止めたくない。
「あは、あはは...あは、は......。」
粗方殺し尽くし、とある洞窟に入る。
...そこは、まだムートと一緒に遊んでいた頃、秘密基地として遊んでいた洞窟だった。
「.....ぅぁ...ぁあ....!」
その中で、私は泣く。
失われた悲しみは、消えないのだから。
例えそれは、狂気に堕ちても。
―――...いつの間にか、私がムートを殺した事になっ
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