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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二七幕 「少女が見た流れ星」
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残り――びゅるり、と吹いた風に乗った雪に埋もれて見えなくなった。

 翌日、グリーンランドの地元紙の隅に「UFO出現か」という記事と共に山の上に立ち上る一筋の光の写真が記載された。あまりにも信憑性の薄い記事に対する反響は小さく、記事の内容は翌日には新聞購読者の記憶から消えて行った。



 = =



 ところ変わって日本――夕暮れが空を染める、とある街の海沿い。

「あれ、流れ星だ!うおー、久しぶりに見た〜!!」

 空で光った流れ星を興味津々の鈔果(しょうか)は、ピョンっと飛び跳ねて堤防の高いへりに飛び乗る。学校でメスゴリラだのと呼ばれるのを嫌っている癖に品がないというか、どこまでも行動が伴わないおバカな親友に松乃は呆れた。この調子だと彼女の渾名に「おサルさん」が追加される日も遠くないだろう。

(しょう)ちゃんはしゃぎすぎだよ。ちゃんと足元見てないと落ちちゃうよ?」
「大丈夫大丈夫!体幹には自信あるし!……っとと、せっかくだからお祈りしとこっと!ラクして暮らせますように、イケメンのカレシが出来ますように、ゼーキン減りますように、街の近くにでっかいデパートできますように、えっとそれから……」
「色々望み過ぎだよ……」
「あ、松乃とずっと一緒に過ごせますようにってのも追加しとこ!」

 ナムナムと呟きながら両手をすり合わせる祈り方はいろいろと間違っているし、そもそも流れ星に願いなどという迷信に頼るというのも如何なものかと松乃は思う。それにしても、まだ日の沈みきらない時間にあれほどはっきり流れ星が見えるというのも珍しい話だ。

(宇宙からの落下物か……まさか、ね)

 松乃にある裏の顔――アニマス16としては、連想させられるものがある。今日は確か、アニマスナンバーの最新機であるアニマス40が連合王国のISを捕縛する作戦が決行されるはずだ。これによってアニマスを統率する『上の存在』が制宙権を確保したことを示し、地球への本格的な干渉が開始される。
 彼女は――鈔果はそこまで理解していてこれほど無邪気にはしゃいでいるのだろうか。それとも流石の彼女もそこまでの情報は掴んでいないのか、或いはもっと複雑な誘いをこちらに仕掛けているのか。彼女が裏の人間だと知ってから(※松乃の勝手な勘違いです)ずっと彼女を観察しているが、彼女は全く尻尾を見せない癖に協力はしてくる。

 正体を確かめるまでは多少手の内を明かしても問題ないと思い協力を続けてはいるが、実際の所はどうなのだろう。今の彼女も虎視眈々とこちらの隙を狙っているのか……。一緒に過ごせば過ごすほど、松乃と鈔果の距離は縮まっていく。それは潜入する存在として好ましいことではない筈なのに――。

(一緒にいたい……そう思っているのは、私の疑似人格なの?それとも、私
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