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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二七幕 「少女が見た流れ星」
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シと異音を挙げる。網膜に投射されたコンディションが次々に黄色(きけん)赤色(はそん)に塗り潰される中で、しかしアニマス40は躊躇わない。
 何故ならこれが、自分が世界に残す最後の存在意義だから――!!

 セシリア・オルコットがこちらの異変に気付いたが、もう遅い。戦闘続行可能範囲という一種のリミッターを捨てたアニマス40の身体は、瞬時加速の速度さえ上回る超速度の弾丸となって宇宙を貫く。

「まだやるっ!?………違う、これは自分を殺すもの!?」
『貴様らのISがどれほど優秀であろうと――コードATAの衝撃ならば内部の人体は無事ではすまん!灰の代わりに挽肉になってしまえぇぇーーーッ!!』
「そんな……自分を捨てて戦うなど、馬鹿なことはお止しなさいッ!!」

 セシリアにはもちろん、相手を殺す気など毛頭ない。態々捕獲する気もない。アニマス40が退くのならばそれでよかった。しかし、任務に囚われたアニマス40は自らその逃げ場を潰し、進む。それがセシリアとアニマス40の決定的な違い――自分に尽くすか、他人に尽くすかの違い。

 突撃が終了して海賊旗(マスト)を下したクイーン・メアリ号に、アニマス40は特攻した。




 ――そうは問屋がオロシャのイワン♪その子におイタはダメダメよっ!




 その時、一筋の閃光が煌めき、アニマス40の左舷メインスラスターノズルを融解させた。

「なっ――」
『あっ――』

 ――アタリっ!

 限界を超えた速度で突撃したアニマス40の進路が右にずれる。バーニアやAMBACのよる修正も間に合わない。そしてセシリアの向こう側にあるのは、地球と宇宙を隔てる「大気圏」のみ。
 セシリアは咄嗟にレバーを操作してメアリ号下部に搭載された作業用アームを伸ばして彼女を受け止めようとした。彼女が自爆しようとしていることを知っていても、彼女の最後の想いから逃げることは考えていなかった。

 しかし、アームが展開される速度は到底アニマス40の移動――いや、落下速度に間に合うものではなかった。


 アニマス40はそのまま大気圏へと突入し――やがて、見えなくなった。

 あれほどの破損を受けた上に自爆装置を作動させたまま、何の用意もない大気圏突入。

 それが意味するのは――死、あるのみ。

「………………」
『………助かった、みたいだな。お嬢様。こっちからは何があったのか把握できないが、とにかく地球に戻ってくれ。上からの命令で、『宇宙にテロリストがいる現状での宇宙ステーション設置は危険要素が多すぎる』ってことになったらしい。こりゃ連合王国どころか世界規模の大事件になりそうだぜ………』
『それにしても最後の光は何だったんですかね?誰かの援護射撃?でも、そうならもっと早い段
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