機動戦艦ナデシコ
1271話
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く別の世界だ。
恐らくネルガルやナデシコにいる奴等が予想している斜め上の位置にいるのは間違いない。
「そうは言っても、こうして悩んでいる間にも時間が過ぎるのは事実でして……はい、その辺を何とか考えて貰えませんでしょうか?」
会長秘書という立場だからか、プロスペクターが腰の低いままに尋ねる。
それはエリナにとっても確かであり、やがて眉を顰めて何かを考え始めた。
眉間に皺が寄っているのは、癖になるとか言うけど……
あ、テンカワがエリナに見惚れてる。
そして当然のように艦長が不満そうに頬を膨らませていた。
この場で最大の発言力を持つエリナが黙り込んだ為か、何だかんだでブリッジが沈黙に包まれる。……フクベ提督、何も言う様子がないけど寝てるんじゃないだろうな?
こうして見る限り目を瞑って寝ているように見えるんだが。
この提督、聞いた話によると火星で木星蜥蜴と戦った時にはチューリップを落とした人物だって話だったが、そんな英雄には見えないな。
そんな風に考えていると、やがてエリナが閉じていた目を見開く。
「そう、ね。一番被害が少ないのを選ぶとなると、やっぱりハッキングかしら」
「その被害が少ないって、ネルガルにとっての被害ですか?」
「……それは否定しないわ。ただ、地球の被害という意味でもそれ程間違ってはいないと思うけど?」
艦長の意地の悪い質問は、やっぱり嫉妬してのものなんだろう。
「ハッキングとなると、バリア衛星に近づいてナデシコは動けなくなるので、アキトとアクセルさんに負担を掛ける事になると思いますけど」
「そうね。でも、現在の状況を考えると多少のリスクは負うべきでしょう。どう? 艦長としては」
「……一番被害が少なくなるというのは事実だと思います」
嫉妬をしていても、判断はきちんと出来るか。
この辺、士官学校を主席で卒業しただけの事はあるな。
「じゃあ、詳しい作戦を考えて貰える? そういうのは艦長の専門分野なんでしょ?」
「うー……分かりました」
こうして、ビックバリアに関してはバリア衛星のハッキングという手段が取られる事になるのだった。
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