機動戦艦ナデシコ
1271話
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、何か置き土産があるんじゃないかという疑問を抱いても当然だろう。
しかも、物はバリア衛星。対木星蜥蜴用の防御兵器として重要な位置にあるものなのだから、尚更に。
そうなると最終的にはハッキングされたバリア衛星を破棄し、新しいバリア衛星を持ってこなければならないという意見が出て来てもおかしくはない。
で、当然その原因を作ったのはナデシコであり、請求はナデシコの雇い主のネルガルへと向かう訳だ。
エリナの言いたい事も分かる。分かるんだが……
「けど、じゃあ、どうするんだよ? 正直、バリア衛星を破壊するか、ハッキングして停止させるくらいしか方法はないだろ? まさか、連合軍に一旦ビックバリアを解除して下さいってお願いする訳にもいかないだろうし」
前回のチューリップとの戦いで、ナデシコはその力を見せつけた。
それも、連合軍の前で、だ。
そんな状況でナデシコと、元々の目的でもあったミロンガ改が火星に向かうので、ちょっと邪魔なビックバリアを解除して下さい。そんな風に言われて、はいそうですかと言うとは思えない。
寧ろ怒って攻撃を仕掛けてくるだろう。
「それは……」
エリナもその事は十分に分かっているのだろう。言葉に詰まる。
「そう言えば、ネルガルの方から話を通す……ってのは出来ないんすか?」
テンカワが、ふと思いついたようにそいう口にするが、エリナは首を横に振る。
「可能か不可能かで言えば多分可能でしょうけど、今のネルガルと連合軍との関係を考えれば時間が掛かるでしょうね。それこそ、下手をすれば年単位で時間が掛かるわ」
「ああ、それは……」
テンカワが言葉に詰まる。
……ただ、何だかエリナと話しているテンカワが微妙に照れているような、そんな風に見えるのは俺の気のせいか?
いや、艦長がテンカワを不満そうな目でみているのを見ると、気のせいじゃないな。
もしかしてテンカワの趣味はエリナのようなタイプなのか?
いや、その辺は別に不思議でも何でもないけど。
じゃなくて……
「あれも駄目、これも駄目……ならどんな手段がいいんだよ?」
ウリバタケの呆れたような言葉に、エリナは小さく溜息を吐いて口を開く。
「そう言われてもね。ナデシコの事だけじゃなく、ネルガルの事も考えると色々と大変なのよ。ただでさえナデシコには人に見せられない……見せたくない人や機体があるでしょ?」
そう言ったエリナの視線が向けられたのは、俺。
まぁ、確かに俺の存在は色々な意味で爆弾のようなものだしな。
そもそも、過去を洗えなかったり、遺伝子で戸籍を探そうにもそれも不可能だったり。
自分で言うのも何だが、これ程怪しい奴はそうそういない。
その上、俺が来たのはこのナデシコ世界とは全
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