機動戦艦ナデシコ
1271話
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オモイカネでバリア衛星をハッキングするには、かなりの距離まで近づく必要があるの。その上、ハッキングが終わるまでにも相当な時間が掛かるという試算結果が出ているし、そっちに集中しているとナデシコの制御が難しくなるわ。その隙にデルフィニウム部隊とミサイルが来たら……」
首を横に振っているエリナだったが、そこに俺が手を挙げる。
「そっちなら俺が何とか出来ると思うぞ」
「……出来るの? 確かにミロンガ改はかなりの性能があるでしょうけど、1機だけでナデシコを守るのは難しいんじゃない?」
「そうだな。俺だけじゃ難しいかもしれない」
『そこで、俺の出番だな!』
俺の言葉に割り込むように、映像スクリーンが起動する。
そこに映し出されているのは、いつものように暑苦しい笑顔を浮かべているヤマダ。
「いや、お前は呼んでない。そもそも、今のお前の状況でエステバリスの操縦が出来ると思うか?」
『そこは、根性で何とでもなる!』
「なる訳ないだろ。そっちの方はテンカワに頼る事になると思う」
「えぇっ!? 俺かよ!」
自分は無関係と言いたげにしていたテンカワだったが、突然の指名に驚きの声を上げる。
まぁ、色々と思うところはあるだろうが……今のところまだパイロットを辞めるというのは決めていないのだから、そうなってもおかしくはないだろう。
「でも、ミロンガ改はともかく、エステバリス1機だけで十分な戦力になるの?」
ハルカが疑問を口にするが……
「大丈夫! アキトならアクセルさんがいなくても、1人だけで十分にナデシコを守ってくれるに決まってます!」
艦長が全幅の信頼と共にそう告げる。
いや、テンカワを好きなのはいいけど、出来れば盲目的にはならないで欲しいんだが。
……まぁ、今回はエステバリスでも何とかなりそうなのは事実だが。
ミサイルの迎撃とかには、射撃武器で平気だろうし。
IFSを使った操縦は、その辺が結構得意……だと思うし。
「待ってちょうだい。確かにその辺を考えると上手くいきそうに思えるけど、ネルガルがバリア衛星にハッキングしたとなると、それはそれで色々と不味いのよ」
「……ま、ハッキングされたのをそのまま使うってのは、ちょっと度胸がいるわよねぇ」
「あー、うん。それはあるか」
ハルカの言葉に、思わず納得の表情を浮かべる。
確かに、誰とも知らない相手――この場合はナデシコ、より正確にはルリ――がハッキングをして弄ったバリア衛星を、以後もそのまま使いたいかと言われれば……普通は使いたくないだろう。
ナデシコがビックバリアを停止して地球から旅立って、その後バリア衛星が問題なく動いていたとしても、一度ハッキングされているだけに、またハッキングされるんじゃないか……または
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