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Blue Rose
第三話 変わらない声その十二

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「明日は飲まないから」
「優花はその辺りしっかりしてるわね」
「だって学校も家事もあるから」
「姉さんもよ」
「姉さんはお酒強いから」
 それでというのだ。
「それ位は大丈夫だと思うけれど」
「あんたの場合はなのね」
「気をつけるよ」
「その辺り真面目ね」
 しみじみとした口調での言葉だった。
「私と違ってね」
「姉さんも真面目だと思うよ」
「働いてるから?」
「うん、浮気もおかしな遊びもしないしね」 
 そうしたことは優子とは縁がない、これまで不倫や二股といったことはしたことがないしギャンブル等にも興味がない。
「借金もないから」
「お金は飲んで後は本とゲームと」
「それ位だよね」
「課金のゲームもしないわよ」
「ああ、ネットゲームとかであるね」
 課金と聞いてだ、優花も頷いた。
「あれ凄くお金かかるそうだね」
「締まりのない人がのめり込んだらね」 
 それこそとだ、優子も言う。
「大変なことになったりするわよ」
「やっぱりそうなんだ」
「そう、だからね」
「そうしたゲームはだね」
「そうした人はしないことよ」
 優子は飲みながら弟に忠告する様にして話した。
「自分の為に」
「そういうことだね」
「そう、借金までしてゲームをするものじゃないでしょ」
「あくまで自分のお金の限りで楽しむものだから」
「課金には気をつけることよ」
「ゲームの中で誘惑にかられても」
「その時は逃げることよ」
 その誘惑からというのだ。
「絶対にね」
「そうあるべきなんだね」
「ええ、優花は大丈夫だと思うけれど」
「無駄遣いはよくないよ」 
 これが優花の返事だった。
「うちはお金には困ってないけれどね」
「幸いずっとね」
「姉さんが医学部にいる間も学費もあったし」
「お父さんとお母さんの保険金があったからね」
 優子はこのことについては顔を俯けさせて言った。
「だからね」
「うん、それでね」
 そのうえでというのだ。
「姉さんも働く様になって」
「医者は大変だけれどね」
「その分お給料いいよね」
「八条大学病院はお給料もいいのよ」
 その医師の中でもというのだ。
「だからね」
「僕達お金も困ってないね」
「あんたの節約も大きかったわ」
 このことは今もだ。
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