巻ノ三十三 追撃その三
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「これよりな」
「そうじゃな、ではな」
「行こうぞ」
三人は確かな顔で頷き合ってだ、そのうえで。
霧の中に入り徳川の兵達を倒していった、清海が金棒を振り回すとそれで徳川の兵達は吹き飛ばされていった。
望月は拳で敵を具足の上からでも衝撃を与え倒していく、そして猿飛も。
まさに猿の如き電光石火の動きで地面を跳び回ってだ、徳川の兵達を。
手に持っている刀で急所を切り倒していく、そうして跳びつつ言うのだった。
「苦しまはせぬ、すぐに極楽に行け」
「相変わらず見事な戦いぶりじゃな」
その猿飛に根津が言って来た、その彼もだ。
手にした刀で居合で斬っていく、具足も何もものともせず斬っていた。そうしつつ自分の傍に来た猿飛に言ったのだ。
「城の中でもそう戦えるか」
「この様にな」
「御主はややこしい場所の方が戦いやすいな」
「森や町は特にな」
そうした高いものが多い場所がというのだ、木や家といったものが。
「跳び跳ねることが出来るからな」
「だからじゃな」
「うむ、こうしてじゃ」
まさにというのだ。
「城の中でもな」
「石垣や壁を跳ねてもいけるか」
「うむ、これも中々楽しいぞ」
「そうか、ではわしはな」
根津はというと。
「何処でも同じじゃ」
「刀で斬るか」
「この様にな」
「そうじゃな、ではこのままな」
「ここにおる敵を倒していこうぞ」
こう言い合い戦っていく、そして。
清海が暴れている横にだ、伊佐が来てだった。
彼もまた錫杖で敵を倒した、そのうえで兄に言うのだった。
「兄上、ここがです」
「正念場じゃな」
「霧が晴れるまでにです」
「どれだけの者を倒せるかじゃな」
「そうです」
言いながらだ、伊佐はまた一人倒した。錫杖で敵の足軽の頭を陣笠ごと叩き割ってそのうえで成仏させた。
「ここはそうしましょう」
「そうじゃな、殺生であるが」
「殺生は戦に常です」
「だから仕方がないな」
「はい、我等は僧侶ですが忍の者でもあり」
「そして殿の家臣じゃ」
「ならばです」
それ故にというのだ。
「ここは戦い」
「そしてじゃな」
「殿の御為に働きましょうぞ」
「わかっておる、ではじゃ」
「共に」
「戦おうぞ」
二人も派手に暴れる、金棒と錫杖も霧の中に舞っていた。
望月は拳で戦う中でだ、筧が出て来てだった。
数人に一度に分かれてだ、それぞれ手にしている扇子を投げて徳川の兵達の喉を切り裂いて倒すのを見た。鮮血が霧に舞った。
筧は敵兵達を倒した後一旦一人に戻った、望月はその彼に言った。
「そうした戦い方も出来るか」
「うむ、これまではどうも直接戦うことは今一つじゃったが」
望月や他の者に比べてというのだ。
「考えてな」
「分け身の術と
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