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ドリトル先生北海道に行く
第二幕その十

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「駆け足をさせて風が来ても」
「それを身体を屈めたりしてね」
「避けるんですね」
「馬上で踏ん張ったりしてね」
 脚で馬の身体を掴んで、です。
「そうするんだ」
「そこまで出来るとなると」
 トミーはわかったことがありました、そのことはといいますと。
「相当身体が強いですね」
「筋肉があって体力もあってね」
「しかも運動神経も必要ですね」
「そうだね」
「そんな人達だからこそ」
 トミーはここで歴史のことを言いました。
「モンゴル帝国を築けたんですね」
「モンゴル帝国は強かったね」
「まさに無敵でしたね」
 戦えば必ず勝つ、しかもその動きはいつも馬に乗っている為恐ろしいまでに速かったのです。モンゴル帝国には誰も勝てませんでした。
「鬼の様に強くて」
「そう、その強さはね」
「馬を自由自在に操って」
「それが出来る身体があったからなんだ」
「そういうことですね」
「うん、僕なんか」
 それこそと言うのでした。
「モンゴルではとても暮らしていけないね」
「特にモンゴル帝国の時はですね」
「匈奴とかの時は本当に鞍や鐙がなかったんだよ」
「それでもですね」
「スキタイ人もそうだったけれどね」 
 かつてギリシアの北にいた遊牧民の人達です。
「彼等も馬に乗っていてもね」
「鞍や鐙がなかったんですね」
「そうだったんだよ」
「それでも乗れたのは」
「そうした環境で暮らしていたからだよ」
「先生は今のイギリスに長い間おられて」
 そしてというのです。
「日本に住んでおられて」
「そうした環境ではね」
「暮しておられないからですね」
「出来ないよ」
 そうした乗馬はというのです。
「とてもね」
「というかね」
「先生がそんな乗馬するとかね」
「とても考えられないわよ」
「スポーツをする先生自体がね」
「想像すら出来ないわ」
 とてもと言うのでした、そして。
 そうしたお話をしているうちに外は夜になりました、窓の外には夜景が見えたりお星様やお月様が見えたり。
 そしてです、山や海も見えますが。
「暗いとね」
「山は海の景色は見られないね」
「それが残念だね」
「夜の闇の中に隠れて」
「うん、そのことはね」
 先生もそのことについて答えます。
「仕方ないよ」
「そうだよね」
「じゃあもう遅いし」
「車の灯りは点いているけれど」
「それを消して」
「もう十時だしね」
 先生は皆に答えました。
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