2部分:第二章
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第二章
そのワラビをだ。描くというのだ。
「美術はそうして」
「その他にはまだ何かあるの?」
「他の課題は適当に書いて」
毎日の記録の様なものはだ。そうするというのだ。
「あっという間にね」
「それで終わらせるのね」
「そうするわ。それで読書感想文は」
それもあった。高校でもこれはしっかりとある。
「正直。読む本は」
「あんた本読まないものね」
「漫画は読むわ」
読むのはそれだった。
「昨日週刊少年チャンピオン読んだから」
「それは読書って言うの?」
「多分違うと思うわ」
何だかんだでその手にペンを持ってだ。そのうえで問題集を開きだ。問題を解きはじめている。何だかんだで問題を解くのはかなり速い。まるで答えをそのまま書いている様だった。
そうしながらだ。母に話すのである。
「読書ねえ」
「昔読んだ本とかないの?」
「伝記とか?えらい人の」
小学生が読む感じの本である。
「ベートーベンかしらね」
「ベートーベンね」
「耳聞こえなかったのよね」
このことで有名だ。しかし真央はこの音楽的には偉大な人物についてこんなことを言うのだった。
「それで性格は尊大で頑固で癇癪持ちで気難しかったのよね」
「凄く嫌われてたらしいわね」
「敵だらけだったのね」
「そうよ。ベートーベンは友達はいなかったけれど敵は山程いたのよ」
その代表がゲーテである。ある意味において素晴しい。
「そういう人だったのよ」
「じゃあその人にするわ」
読書感想文はベートーベンの伝記になった。
「じゃあとにかくね」
「問題解いていくのね」
「それとね」
さらにだった。問題はまだあった。
「家庭科だけれど」
「お裁縫とかあんたできないでしょ」
「大の苦手よ」
できる筈もないことだった。真央は身体を動かすことは得意だがそれでもだ。そうした裁縫の類はだ。大の苦手なのだ。
だからだ。彼女は言うのだった。
「それはどうしようかしら」
「とにかく何とかしなさいね」
「わかってるわよ」
問題集を解きながら話していく。
「ちゃんとするから」
「とにかく。あと三日よ」
その三日でだ。終わらせろというのだ。
「頑張りなさいよ。気合入れてね」
「ううん、洒落にならないわね」
「本当に今まで何してたのよ」
「だから。部活に遊びに」
そればかりだったのだ。
「そういうことだけだったから」
「本当に。適当なんだから」
「青春してたの」
そういうことにしてしまう。自分に言い聞かせる。
しかしそうした話をしてだった。真央は。
とにかくまずは問題集を終えていく。何とか頑張ってだ。
問題集は全てだ。徹夜で終わらせた。その朝にだ。
疲れきった顔でだ。朝食の時に母に話した。
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