いやあれモグラじゃないでしょ?
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エルザさんがそういい、全員でモグラの居場所を突き止めようとする。だが、そんな必要はなかった。なぜなら・・・
「モグ」
目の前にそいつはいたのだから。
「「「きゃああああああ!!」」」
「「「うわああああああ!!」」」
かなりの至近距離に巨大モグラがいて叫ぶ俺たち。敵の手から逃れようと全員で泥の中を泳いで逃げようとする。
「要するに、上がれる場所があればいいんだろ!!」
泳いで逃げ切るには無理があると悟ったグレイさん。彼は自らの造形魔法で巨大な氷の島を作り出す。
「みんな!!上に上がれ!!」
目の前の驚異から逃れるために必死に氷の壁をよじ登る。
「ツルツル滑って上がれません!!」
「ウェンディ!!掴まって!!」
島全てが氷でできているため、登るところが滑る滑る。俺はなかなか上がれないウェンディの手を掴み、出っ張っている箇所を器用に使ってよじ登っていく。
「シリル!!手ぇ出せ!!」
「どうも!!」
先に上りきっていたナツさんの手を掴み、引っ張りあげてもらう俺とウェンディ。おかげで、迫ってきていたモグラから間一髪逃げることができた。
「助かりました」
「ひどい目にあった」
ここならモグラに襲われる心配もないし、一安心といった感じで座り込む面々。
「うぅ・・・寒い、お尻が冷たい」
「贅沢言うな」
座っている部分が氷のため、ルーシィさんが震えながらそう言葉を漏らす。でもグレイさんがいてくれて良かった。他の人の魔法じゃどうしようもないし。
「今度はどっから出てくる?」
「せめてこちらの思い通りの場所に誘き出せれば、待ち伏せもできるのだが・・・」
モグラがどこから出てくるかキョロキョロと辺りを見回すナツさんと、愚痴にも似た言葉を述べるエルザさん。
「みんな!!気を付けて!!」
「下にいるわ!!」
「真下にいるよ〜!!」
ハッピーたちがモグラがどこにいるのか気づいたらしく、言われたように下を向く。するとそこには、確かにモグラが俺たちのことを覗き見るように存在していた。
「こんなところに!?」
ルーシィさんがあまりにも予想の斜め上をいくモグラの居場所に驚愕している。だけどこんなところにいるなら、何も危害は加えることはできないだろうし、じっくりと作戦を練ってから―――
「火竜の鉄拳!!」
なんてことを考えていると、ナツさんがいきなり俺たちのいる氷の足場をぶん殴る。当然彼のパンチにただの氷の島が持ちこたえられるはずもなく、俺たちは再び泥の中へと落ちてしまった。
「ちょっとは考えろ!!」
「つい手が出たんだ!!」
何も考えずに行動する彼にグレイさんが激怒し、怒鳴られた彼は逆ギレしている。
「モグ」
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