機動戦艦ナデシコ
1270話
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とした柔らかさを持ち、カツのサクサクとした食感を殺さない程度に酸味の強いソースが存在している。また、肉もジューシーで食べ応えがあり、噛むと口の中一杯に肉汁が広がる。
キャベツの千切りやスライスされたタマネギも邪魔にならない程度にカツとパンの間に挟まれ、カツ以外の食感を楽しむ事も出来た。
「……美味い」
その言葉に、テンカワが嬉しそうに笑みを浮かべる。
まぁ、テンカワが作ったんじゃなくて、ここのシェフでもあるホウメイが作ったんだろうけど。
「にしても、アクセル。火星に行く時はなるべく加減して食べてくれよ?」
瞬く間にカツサンドを食い終わった俺に、テンカワがしみじみと呟く。
その理由が分かってるだけに、俺も頷きを返す。
ナデシコは単艦で火星へと向かう。
つまり、その間に使う物資も出発前に積み込んだ物だけとなるのだろう。
あるいは火星に向かうまでに補給物資の集積所を……いや、あっても木星蜥蜴に壊されるか。
だとすれば、ナデシコは限られた物資だけで火星まで向かう必要があり、それどころか最悪の場合は火星で物資の補給も無理な可能性がある。
つまり、俺みたいに幾らでも食う事が出来るってのはナデシコにとっては致命的になる可能性があった。
「そうだな。そうするよ」
ま、俺の場合は最悪空間倉庫の中に食い物が大量に入っているし……
ただ、今の俺は基本的に何らかの手段で監視されていると考えてもいい。
となると、堂々と空間倉庫は使えないか。
だとすれば……布団の中に潜って周囲から見えないようにしてから空間倉庫から食べ物を取り出し、同じく布団にくるまって食べるとか。
……それはそれでちょっと面白そうだと思ったのは内緒だ。
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