機動戦艦ナデシコ
1270話
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軍人がミロンガ改に乗って迂闊に全速力を出そうものなら、ほぼ確実に死ぬだろう。
かといって、動いてなんぼの機体であるミロンガ改で動かないってのは機体の持ち味を殺しているとしか言いようがない。
まぁ、バリアがあるからパイロットが死ぬような事にはならないだろうが。
そもそもミロンガ改は1機しか存在しない機体だ。だとすれば実戦で使うような真似はせず、技術を得る為の研究資料となるのが一般的か?
ともあれ、連合軍にとっては思ったような成果を上げる事が出来ないだろう。
「はい、おまちどうさん」
そんな声と共に、テンカワが俺の前にカツサンドとイチゴクレープを置く。
その上で、ハルカの前にある皿が俺の近くにあるのを見て、テンカワはどこか呆れたような視線を俺へと向けていた。
「カツサンドにイチゴクレープを注文して、その上でさらに他の人のサンドイッチまで食ってるのかよ。どんな胃袋してるんだ?」
「そうよね。このサンドイッチを渡した私が言うべき事じゃないかもしれないけど、こんなに食べて大丈夫なの?」
なら、何でサンドイッチを注文したんだ? とも思ったが、注文したのはいいものの腹一杯になったとかいうのは普通にあるんだろう。
「そう言われてもな。基本的に俺の場合は幾ら食べても太らないし」
そう告げた瞬間、俺に強烈な視線が向けられているのを知る。
目の前にいるハルカだけではない。食堂で働いているホウメイガールズや、客として食堂にいた他の女からも俺へと視線を向けられていた。
まぁ、それでも全員が俺に対して男に向ける視線を向けていた……という訳ではないのは理解している。
俺はこのナデシコに突然現れたイレギュラー的な存在だ。
当然興味の視線が向けられる事は多いが、その視線は異性へと向けるものじゃないのは確かだろう。
「へぇ。私の前でそんな事を言うんだ。……いい度胸をしてるわね」
向かいの席に座っている俺に詰め寄るハルカだが、胸元が大きく開いている制服だけに、深い谷間が露わになっている。
……テンカワの視線がチラチラとそっちに向かっているんだが。
いや、俺も興味がないかと言われれば否と答えるけど、幸い俺の場合は恋人の多くが胸が大きい。
夜の生活もあって、こういう谷間は見慣れていた。
「そう言われてもな。これは完全に体質だし」
混沌精霊の俺は、腹の中に入った食べ物はすぐに魔力へと変化して完全に吸収されてしまう。
まさに、体質と呼ぶしかない。
「あんた、世の中の女の大半を敵に回しているわよ」
呆れたように呟くハルカに、ホウメイガールズや他の女も同感だと言いたげに頷くのが見える。
その頷きを見ながら、カツサンドへと手を伸ばす。
カツを包んでいるパンはしっとり
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