第10章 エル・ファシル掃討作戦 中編-@
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同盟軍内で流通させた(させられるくらい大量に捕獲された)。
サイオキシン麻薬は1sであっても一大佐の給料を軽く凌駕するような金額で取引される。
これで一定期間金儲けをした准将は何事もなかったように足を洗おうとしたがそうは問屋がおろさなかった。
その海賊を海賊掃討作戦を実施して丸ごと証拠隠滅を図ろうとしたが、その海賊こそエル・ファシルに残る帝国軍ゲリラ部隊であった。
家族の命とこの一件をばらさないことを条件に准将は帝国軍ゲリラ部隊に武器・艦船・物資を横流しすることとなってしまった。
これを調べ上げた司令部はただちに、エル・ファシル内のすべてのサイオキシン麻薬精製工場(サイオキシンは1gでもあればそこからいくらでも再合成できる人工合成麻薬であるため)と武器の取引場所を一斉に押さえる作戦を開始した。
当然我々も駆り出された。
第3中隊が行ったのは第43予備役空挺歩兵旅団第2大隊が第2管区内のセメント工場内で武器取引を押さえる作戦の支援であった。
この第43予備役空挺歩兵旅団は予備役とついているが対テロ作戦部隊の一つとして訓練されており、ハイネセンに本部を置く首都防衛軍の即応予備部隊の一つだ。
我々の任務は彼らの作戦中の狙撃援護と逃亡する敵の排除または捕縛である。
第1〜5小隊を道路の要所に配備し、狙撃・偵察小隊を工場から300mから500m離れたビルや建物に展開し敵を待ち構えた。
私は第1小隊とともに行動していた。
帝国軍の取引屋は0400時にやってくるように仕向けられていた。
作戦開始は0300時
第3中隊の駐屯する第12前進基地で各小隊準備完了の報告をもらい出発する。
軽装甲車に乗って付近まで接近して、そのあとは徒歩で展開となった。
装甲車内はしんとしていたが、久しぶりの近接白兵戦と思うとぞくぞくし、思わずトマホークを握る手が強く感じられた。
作戦開始45分前には各小隊は展開を完了し、敵を待ち構えた。
待つこと、30分。
第2小隊の監視する道路から1台の黒いバンが接近してきた。サーマルセンサーで内部を確認するとライフル・トマホークで武装した兵士が4名、背広を着た交渉屋が2名、ホルスターとトマホークを隠し持った運転手が確認された。
ビンゴだった。
第2大隊指揮官のマークス・フレッチャー中佐にそれを伝えた。
私
−コンドル1 ラビットを視認。 繰り返す。コンドル1 ラビットを視認。 どうぞ。
中佐
−イーグル2 了解。 Dタイムは20分後 どうぞ
私
−コンドル1 了解。 通信終わり
しばらくするとそのバンは工場の前に止まった。
背広が2人降りて工場の中に消えていく。
バンからは4名の兵士が降りてきて、大きなテレビ局が持つようなカメラ・三脚ケースを一人ずつ降りてきた。
当然、それ自体が防弾盾になり、
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