第10章 エル・ファシル掃討作戦 中編-@
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見えた。
リヒトフォーフェン少尉が小隊員に捕獲に向かわせる。
第3小隊員のクリス・メッケル伍長とマルクス・クライスト2等兵がライフルを構えながら接近する。
残りの隊員はライフルを向けて援護射撃体勢をとる。
帝国語で伍長が武装解除を行い、身体検査をしている時だった!
捕虜の一人がいきなり戦闘服のポケットの中から手榴弾を取り出して自分の目の前に落下させたのだ!
私は瞬時に
「全員伏せろ!」
と叫んだ。
5秒後、手榴弾は爆発するかに見えたが、爆発しなかった。
そいつは、手榴弾のピンを焦って引き抜かずに落下させたのだった。
それに気づいていた伍長はすぐさまそいつをライフルの銃床で殴り倒し、逃亡しようとした残りのゲリラ兵を撃ち倒した。
そののち、この廃工場内の探索とその銃床で殴り倒された捕虜の詰問から驚くべきことが発見された。
まず、地下1階で発見された対戦車ロケット弾は同盟軍のものであったこと。
捕虜の持っていた手榴弾も同盟軍の正式採用のものであったこと。
以下のことが極め付けに驚きであった。
その入手ルートはなんとエル・ファシルに司令部を置く第9方面軍後方支援集団 第8補給司令部であったということであった。
この情報は先述の捕虜の情報と、対戦車ロケット弾に記載された配備データを読み取り、それを調べ上げたところ巧妙に輸送船事故に紛れて遺失ということになっていた。
ただちに、これを連隊本部に通達した。
これを重く見た第2攻撃任務軍司令部は中央情報局と共同で調査を開始した。
他の管区でも同様のことが見つかり、同盟軍に強烈な打撃が走った。
だが、バクダッシュ少佐の指揮する中央情報局の対応はさすがともいうべき迅速さで行われた。
まず、第8補給司令部 司令官であったクレソン・マッキンリー准将の身柄を確保し事情聴取を行った。
自白剤をも強要する勢いで行われた強烈な尋問の前に准将はあっさりと崩れ去り、すべてをされけ出した。
ことの始まりは宇宙歴 789年にエル・ファシル奪還作戦の一環として発生したケルトリング星域会戦であった。
この会戦で同盟軍第2・9・10艦隊のの一方的な攻撃で敗れ去った帝国軍は多数の輸送船を含む艦船を放棄し撤退した。そのため、それらはすべて同盟軍の手に落ちた。
そして、問題だったのが同盟軍が拿捕した輸送船であった。
この輸送船の中身を臨検していた陸戦隊と憲兵隊は大量のサイオキシン麻薬を押収した。
通常押収品はいったんその方面軍の後方支援集団に保管されその後の処理の指示を待つ。この押収された麻薬は当然そのように扱われた。
これに目を付けたクレソン准将(当時大佐 第9方面軍 司令部第4部:後方支援部長)はそれを輸送中の同盟軍輸送船を護衛艦もろくにつけずに自ら手まわしをした海賊に拿捕させ、これを手に入れて
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