後編
6.カウントダウン
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…クマ……」
俺と一言二言言葉を交わしてホッとしたのか、球磨は眠そうに大あくびをした後、再度俺の膝で眠り始めた。今度は俺の腰に両手を回し、ちょうど俺の腰にしがみついてるような体勢だ。……よく見るとアホ毛もしなびている。
無意識のうちに球磨の頭を撫でている自分がいる。髪ももふもふの割に抵抗はなく、俺の手櫛に素直にすかれていた。
「……スー…スー…」
球磨の頭を撫でた途端、さっきまでのいびきはなくなり、妖怪熟睡女の寝息だけが部屋の中に鳴り響いた。
「なんでいびきがおさまったんだ……?」
さっきまであんなに賑やかだったのに、今のこの室内は水を打ったかのように静かだ。部屋の中に響く音は、時計の時を刻む『チクタク』という音と、球磨の寝息だけだ。
球磨の髪を耳にかけ、その耳に目をやる。最近はおれが頻繁に耳掃除をしてやっているおかげでキレイなものだ。耳に触れた途端、球磨が『ん……』と反応していた。
「……まぁいいか」
球磨のそばにあるブランケットをかけてやり、風邪引かないようにしてやった。そのあと、誰もおらず一人で球磨の頭を撫でながら酒を飲んでいたのだが……知らないうちに睡魔に襲われたらしい。次第にまぶたが重くなってきた……
……
…………
………………
俺は球磨と二人で海岸線を歩いていた。海の波は凪で、波も低くとても静かだ。波の音が心地よく。ゆったりしたリズムで聞いていて心地よい。
「球磨、今度はミアとリリーに懐かれるといいな」
俺は球磨の顔を見たが、なぜか今日は球磨の目が彼女の前髪に隠れ、球磨の表情を見ることが出来なかった。
フと、球磨が海の方向に目をやった。夕焼けが眩しいせいか……それとも何か他に理由があるのか、海は真っ赤に染まっていた。そしてやはり、球磨の顔はちょうど髪に隠れて表情が見えなかった。
「球磨?」
「行かなきゃ」
いつになく真剣な……というより感情が感じられない声で、球磨はこう呟いた。
「……どこにだよ?」
「みんなが待ってるクマ」
いつの間にか、球磨は艤装を装備していた。
「……いつの間に艤装つけたんだ?」
「さっき。みんなも行くから。……みんなと行かなきゃ」
そう言いながら、球磨は意識の感じられない足取りで、海の中に足を入れ、そのままざぶざぶと海の中に入っていく。主機って名前の鉄製の靴みたいなのを履いてるのに、海面に立たず、そのままざぶざぶと海の中を歩いていく。
「……なんで浮かないんだよ?」
「もう球磨は浮けないからクマ」
「だったらこっちこいよ。寒いだろ?」
「だってみんなと行かなきゃ。みんなが待ってるから」
そのままざぶざぶと海に入っていく球磨の手を取ろうとしたが
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