暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
後編
6.カウントダウン
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大切な仲間と共に楽しむ時間って、大切で珠玉だよなぁ……ハッ?!

「幸せの反芻はそれぐらいにしとこうかハル? ニヤニヤ」
「……意趣返しですか提督。ニヤリ」
「だな。ニヤリ」

 なんかもう、俺と提督さんって親友みたいな間柄になってきたなぁ……

「だな。この歳で親友が出来るとは思わなかったよ」
「俺もです」
「だったら敬語なんか使わなくていいぞ?」
「それはそれ。これはこれです」
「そっか」

 朝っぱらから提督さんに執務室に呼ばれたからなんだろうと思って身構えて行ってみたら、結局提督さんの惚気を聞いて終わるというなんとも言いがたい朝だった。

 提督さんとの話も終わり、居住スペースに戻って店を開ける。ばーばーちょもらんまは基本的に店休日がなく、毎日が営業中だ。そこだけ聞くととんだブラックちょもらんまだろうが、実際は店を開いていてもヒマな時間が多い。今日も今日とて、まだ客らしい客は来ず……来訪者といえば、今も長ソファに寝転んでこの前おれがプレゼントしたワイド版のマンガを読み耽る北上ぐらいだ。

「あー……ハル、喉乾いたからお茶欲しいなー」
「百歩譲って茶はくれてやる。だから自分で淹れろ」
「えー……今いいところなんだよー。ル◯ー◯さんがドッ◯ー◯をバシバシ追い込んでるところで目が離せないんだよー」
「確かに熱いシーンだな」
「でしょー? だから淹れてきてよハルお兄ちゃーん」
「今、赤ちゃんの足の小指の爪ほどには存在していた“茶を淹れてやろう”という気持ちが吹き飛んだわ。自分で淹れろ」
「ひどっ」
「つーか自分の部屋で読めよ自分の部屋で」
「えー……ここの長ソファ寝転び心地がいいんだよね」
「そこはお前の指定席じゃないぞ?」
「いいじゃんどうせ客来ないんだし」

 『うるせー妖怪プル◯◯ルラ!!!』と叫ぼうとしたその時、店の入口がカランカランと開き、川内が客としてやってきた。

「ハル〜おはよー!」
「おーういらっしゃーい。……ニヤリ」
「いや別に『俺の勝ちだな北上』みたいな顔しなくていいじゃん」

 川内は昨晩夜の哨戒任務に出ており、今晩も哨戒任務に出るため、寝る前にシャンプーしてもらってスッキリしようと思ったらしい。川内の肩口には、ショルダー那珂ちゃん探照灯がつけられていた。

「俺が渡したショルダーライトはどうだ? ショルダー那珂ちゃん探照灯は順調か?」
「順調順調! ハルのおかげで夜戦もバッチリだよ!」

――床屋さん ありがと キラリーン

 他の奴らと違って、随分張り倒したくなる子だったんだなぁ那珂ちゃんて子は。

――ちょっと酷くない?!

「ぷっ……」

 北上がなんだか吹き出していた。あいつが今読んでるところで、吹き出すようなシーンってあったっ
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