暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は主人公を殺したらしい
八話、エクスカリバーァァァァァァァ!!!!A
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ろうか。
 いや、オーフィスという化物クラスとなればそんな事は朝飯前だろう。だが幼女になるとはどういうこったい。

『それで勇者よ、これからどうするのだ? 我はもちろんできる限りのサポートをするが』

 いきなり問う中二聖剣に、デクタは今更ながら気づく。
 まだ今からする作戦を伝えてないことを。作戦と言うがそんな大層なものではない。
 ただ分身という囮を使って、その囮に気を取られているオーフィスを狙って不意打ち。シンプルでしかない、狙いも分からない作戦であるが、一応その先に何をするかはだいたいは決めてある。今更ではあるが、本心では、作戦自体も変えたほうがいいんじゃないのかと思っている。だからといって既に作戦のスタートを切ってしまっているのだ。やるしかない。
 ともあれ、口頭じゃなくいい。意思で伝えようと意識したん途端、中二聖剣は、呆れたように『そうじゃない』と断る。

 コホン、と言い直して中二聖剣は続ける。

『私はなにをすればいい?
 私は剣だ。道具だ。恐怖なんて感じない。例えあのオーフィスだろうと、神であろうと、魔王だろうと私は恐怖に屈しやしない。力に屈しない。
 あるとすれば、貴方を失う恐怖。それを断ち切るならば、私は何だってして見せましょう。あのオーフィスだって切り伏せて、魔王だって聖なる剣で消し去ってみましょう。
 私にできるのは、貴方の命を明日に繋げること………』

 ―――さあどうする、 勇者?

 回りくどいその問いにツッコミを入れたかった―――が、デクタは至極真面目に考える。
 オーフィスはこちらに気づいていない。お互い視認している状態ならまだしも、こちらが主導権を握っているのだ。元々、今からしようとしているのは、騙し討ち。
 デクタの分身は、接触こそはしてないものの、既にオーフィスと対面しているため、その不意打ちをするタイミングは限られている。その分身が偽物だとバレる前に、動きたい。
 その最高の瞬間に動かなければならない。とはいえど、まだ時間はあった。

「俺がお前を守る。だからお前は俺を守れ」

 自分でも臭いセリフで、痛いセリフ。
 傍から見れば、意味不明だと捉えられるそんなセリフ。
 でもそれを理解している中二聖剣とっては、待っていたと言わんばかりに、満足気に言い放つ。

『ああ、その願い―――聞き入れた』

 瞬間、デクタの体は再構成されてゆく。
 バシュッと空音が響き、強制的に因子が聖剣へと引き出される。
 因子が光へと形を変えて、光がデクタを包み込む。意識さえも、思考さえも変えられていくような、そんな感覚に浸る余裕もなく、それは一瞬で終わった。
 結果そこから生まれたのは――― 騎士王だった。
 青い西洋のドレスで身に纏い、銀色の甲冑がそれらを覆う。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ