八話、エクスカリバーァァァァァァァ!!!!A
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ろうか。
いや、オーフィスという化物クラスとなればそんな事は朝飯前だろう。だが幼女になるとはどういうこったい。
『それで勇者よ、これからどうするのだ? 我はもちろんできる限りのサポートをするが』
いきなり問う中二聖剣に、デクタは今更ながら気づく。
まだ今からする作戦を伝えてないことを。作戦と言うがそんな大層なものではない。
ただ分身という囮を使って、その囮に気を取られているオーフィスを狙って不意打ち。シンプルでしかない、狙いも分からない作戦であるが、一応その先に何をするかはだいたいは決めてある。今更ではあるが、本心では、作戦自体も変えたほうがいいんじゃないのかと思っている。だからといって既に作戦のスタートを切ってしまっているのだ。やるしかない。
ともあれ、口頭じゃなくいい。意思で伝えようと意識したん途端、中二聖剣は、呆れたように『そうじゃない』と断る。
コホン、と言い直して中二聖剣は続ける。
『私はなにをすればいい?
私は剣だ。道具だ。恐怖なんて感じない。例えあのオーフィスだろうと、神であろうと、魔王だろうと私は恐怖に屈しやしない。力に屈しない。
あるとすれば、貴方を失う恐怖。それを断ち切るならば、私は何だってして見せましょう。あのオーフィスだって切り伏せて、魔王だって聖なる剣で消し去ってみましょう。
私にできるのは、貴方の命を明日に繋げること………』
―――さあどうする、 勇者?
回りくどいその問いにツッコミを入れたかった―――が、デクタは至極真面目に考える。
オーフィスはこちらに気づいていない。お互い視認している状態ならまだしも、こちらが主導権を握っているのだ。元々、今からしようとしているのは、騙し討ち。
デクタの分身は、接触こそはしてないものの、既にオーフィスと対面しているため、その不意打ちをするタイミングは限られている。その分身が偽物だとバレる前に、動きたい。
その最高の瞬間に動かなければならない。とはいえど、まだ時間はあった。
「俺がお前を守る。だからお前は俺を守れ」
自分でも臭いセリフで、痛いセリフ。
傍から見れば、意味不明だと捉えられるそんなセリフ。
でもそれを理解している中二聖剣とっては、待っていたと言わんばかりに、満足気に言い放つ。
『ああ、その願い―――聞き入れた』
瞬間、デクタの体は再構成されてゆく。
バシュッと空音が響き、強制的に因子が聖剣へと引き出される。
因子が光へと形を変えて、光がデクタを包み込む。意識さえも、思考さえも変えられていくような、そんな感覚に浸る余裕もなく、それは一瞬で終わった。
結果そこから生まれたのは――― 騎士王だった。
青い西洋のドレスで身に纏い、銀色の甲冑がそれらを覆う。
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