八話、エクスカリバーァァァァァァァ!!!!A
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目を付ける程の能力なのだからそれほどのものなのだろう。
だが、だからといって、デクタがその全部が全部扱える訳では無い。寧ろ扱えない方が圧倒的に多いと言える。
ていうか殆どが使えない。
強いているなら、精神的な安定剤として使える程度の浄化力。
そして現在進行形で作業している、分身の錬成のみ、である。
「よしっできた」
分身はできた。だが、一体しか出来ないのが、しょぼい。
『勇者よ……これは誰だ?』
「俺だけど……。てか時間ないから無駄口している暇ないから次行くぞ」
『いや、待て、主はこんな顔じゃないだろう?
絵の具全色をグッチャぐちゃにかき混ぜたようなドロッドロとした黒い目した勇者とは逆に、この分身の目はキラキラしてるじゃないか。
隈も消えてるし。
それに勇者はこんな純粋無垢な瞳であったかのう……。髪もこんなにサラサラしている訳では無かろうに。
主は手入れの行き届いていないガッサガサのボサボサなんだが。背も勇者と比べると心なしか高い気がする。足が長くなったというべきか。足はそこまで長くないだろうに……。
ふむん、我の知っている勇者とは相反するような気がするのだが』
「ほっとけや。まだ成長期真っ盛りのガキなんやい」
目的地に向かいながら、デクタは中二聖剣を流す。
こういう時は無理に絡まなくていい。反論なんかせず、流すのが一番だ。首を締めるだけ。
ハッ!!と何かを察した中二聖剣は、ふと呟く。
『クックックッ。なるほどな。ククッ勇者も素直に言えばいいもの。この分身の姿は、勇者、貴様の願望から生まれたものそのもの。
つまりは、勇者はイケメンになりたいというわけだなッ!! わははははッ!!』
うぜぇぇぇと、心底思いつつも、自分の顔面偏差値を測定する。
いや、結構いいほうだろう。鏡で何度も確認したことがあるが、美形だし、何なら女顔とでも言うのだろうか。兎に角、世間一般的にモテたことのないデクタは自信を持って、中二聖剣には言い返せることなく、呻くだけ。
―――と、目的のポイントにいつの間にか着いていた。
そこは先程までデクタがいた地点の死角になるビルの屋上。
からっていたトランクを下ろす。
白い吐息を吐きつつ、分身の気配を探る。すぐにそれは見つかる。
やはり先程までデクタがいた場所。見やると予想通りデクタの分身は誰かと対面していた。
そこにいたのは―――オーフィス。最強幼女ことオーフィス・ドラゴンであった。
デクタは気配を遮断しながら、肉眼でそれを見ることになる。
初めて見るその姿は、自分が想像していたのと差異はほぼなかったと言えよう。アザゼルが最後に会った時のオーフィスの姿はジジイだったとか言ってた気がするが、姿形も自由自在なのだ
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