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どうやら俺は主人公を殺したらしい
八話、エクスカリバーァァァァァァァ!!!!A
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クックックッ。できたらこう常闇の中で、月の下で美しく死にたい』
「なんだその死ぬ前提のシチュエーションとかおッかしくねッ!?」

 怒鳴りつつも静かに突っ込む。

『冗談が通じぬのう勇者』
「中二病のあんたが言うと冗談に聞こえないよ……」
『ク、ククッ、ちゅっ中二病とはなんだ?我にはさっぱり分からんのだがなぁ』

 がたがたっ。
 からっていたトランクが揺れた。
 それも手に持つ事さえも困難である程に。


 デクタは何故こうなったなんて考える間もなく原因の奴の名前を叫ぶ。

「マゾ聖剣やっぱテメーか!!」

 ガチャっ。
 デクタの声に応えるように、明らかにロックが外れた音と共に、鉄でできた剣先が―――龍殺しの聖剣―――アスカロンがひょっこりと顔を出す。

『っぷはーッ!! デクタ様っ! ありがとうございます! こんなに窮屈なトランクでワタクシを放置プレイ―――』

 ガチャリと金属同士が嵌められる音でその声は途切れる。
 ガチャっ。
 だが、また開く。

『あんっ………ワタクシ既に何回かイッ―――』

 ガチャリ。

「ちょっ、コイツッ、ぐ、ぐぐぐ。ど、どうやってロックを開けたんだよッ!!」
『勇者はよ閉めろ!! こやつを出さんで良い!! 我だけで充分であろう!? “M”キャラより“中二病”キャラの方が需要あるしな、ふふん』
「知らんがな―――しまっ」

 からっていたトランクに気を取られ、駆けていた足が一瞬鈍る。元々、デクタは、超速だった状態だったのだ。
 必然的に鈍った片方の足が体感のバランスを歪め、高低差のあったレンガ上の地面に躓く。はっきりいってその一連の動作は阿呆そのものだった。

「ぶへっ」

 それに反応できずに、足と足が不自然に絡まってしまい、見事なこけっぷりを披露してしまう。
 超速だった筈のスピードが一気に減速し、急斜面を転がるボールのように、障害物を砕きながらも、ゴロゴロと転がる。その間に、身体強化で防御体勢に入る。
 止まる。白い粉塵が巻く。
 
「痛っつ」
『この間抜けが、何をコケおるのだ?』
「………クソ」
『あの、だ、大丈夫……?』
「あー……うん」
『そ、そうか! ふふん、この程度で泣き言を吐く様な男じゃあ無いからな! 分かっておったぞ。ふん、そもそもこの元凶は全てあの女狐のせいだ。クックックッ……後で我の闇の炎成敗してくれるわ!! 止めるなよ、勇者』

地べたに這いつくばりながら、適当に返事をする。トランクを確認するが、幸い開け閉めする際に掛けるロックが機能していたおかげで、中身が地面に散乱する事はなかった。中身を、中にあるマゾ聖剣ことアスカロンを確認余裕はない。

 無様に横たわったその足を大地に直立させようとす
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