暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1269話
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ここでナナコさんがいればなぁ……アクアでも可」
「ああ、アクアマリン! ……いいよなぁ」
「お? お前はアクア派か? 通だねぇ」
「だって、あのお淑やかさ……」
「それを言うならナナコさんだって……」

 何だか分からないが、俺の知らない場所で話が進んでいるらしい。
 どうなってるんだろうな、これ。
 いやまぁ、ヤマダが元気ならそれでいいんだけど。
 結局テンカワとヤマダの相性っていいというのははっきりしたらしい。
 取りあえず……と、二人の方へと視線を向けると、キョアック星人がどうこうとか言っているのが聞こえてきた。
 恐らく……いや、多分間違いなくこいつらが好きなゲキガンガーとかいう奴の話題なのだろう。
 全然話についていけない俺としては、いつも俺に絡んでくるヤマダの意識がテンカワに向けられているのを止めるつもりはない。
 それにヤマダも両手足が全く動かない状態だと、基本的に暇でゲキガンガーについての話が出来るテンカワってのはありがたい存在なんだろうし。
 そんな二人をそのままに、俺は折角なのでプロスペクターが持ってきた果物の盛り合わせに手を伸ばす。

「ヤマダ、この果物、食うけどいいか?」
「だから、キョアック星人は……ああ!? 好きにしろ! で、だな」

 俺の話をきちんと聞いてるのかどうか全く分からないが、ともあれ許可は貰った。
 幸い入院患者用にか果物ナイフは常備してあったので、それを使って梨の皮を剥いていく。
 料理が得意って訳じゃないが、それでも果物の皮を剥くくらいは出来る。
 勿論本職の料理人のように実を残さずにとか、そういう芸当は出来ないが。
 梨の皮を剥いて切り分け、シャリシャリとした林檎に似ているようでいて違う梨の食感を楽しむ。
 甘さも十分だけど……出来れば冷たく冷やした梨を食いたかったな。
 ジョーがどうとか言っているテンカワとヤマダの話を聞きながら、そう思うのだった。
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