機動戦艦ナデシコ
1269話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
補充出来ない理由でもあるのか? ……あるのか。そもそも、エステバリスは人型機動兵器だ、当然その操縦に慣れている者の数は溢れているって訳ではないだろう。
その辺を考えれば、当然使えるパイロットが少なくてもおかしくはない、か。
「……分かった。どうすればいいのか、ちょっと考えてみるよ」
「そうしてください。ああ、これどうぞ。お見舞いに行くのならやはり果物の詰め合わせでしょう」
そう言い、手に持っていた果物の入った籠をテンカワへと手渡す。
なるほど、この果物の入った籠は俺達に渡すために用意してあったのか。……抜け目ないな。
俺達がヤマダの見舞いに行くというのは予想済みって訳か。
いやまぁ、今回は助かったけど。
「悪いな」
「いえいえ。アクセルさんへも好感度は、稼いでおいて損はないですから」
如才なくこんな事を言ってくる辺り、随分とこっちに気を使ってはいるらしい。
「では、失礼します。……ああ、そうそう。恐らく数日後には色々と忙しくなると思いますので、体調は整えて置いて下さいね。それと、テンカワさんもどちらを取るのかをそれまでに決めておいてくれると助かります」
そう告げ、プロスペクターは去って行く。
その後ろ姿を見送り、何とも言いがたい表情をしているテンカワの肩を叩く。
「ほら、今はヤマダの見舞いに行くんだろ。さっさと行くぞ。向こうも暇をしている……とは思えないが、それでも俺達が行けば少しはヤマダの気も紛れるだろ」
「あ、ああ。……そうだな。難しい事は後で考えればいいんだし。今はガイの見舞いに行くよ」
そう告げ、俺とテンカワは医務室へと向かう。
にしても、俺がヤマダと呼んでテンカワはガイと呼ぶ。
それでいながら普通に会話が通じている辺り、ちょっと面白いな。
そんな風に考えていると、やがて医務室へと到着する。
「ガイ、怪我はどんな具合だ?」
「どうやら暇そうだな、ヤマダ」
医務室へと入り、ベッドで横になっているヤマダに対し、俺とテンカワは声を掛ける。
「だから、俺はヤマダじゃなくて、ガイ! ダイゴウジ・ガイだって言って……痛ててて」
ヤマダ呼ばわりに叫ぼうとするが、それだけでも痛いんだろう。
というか、本当に身体中ガチガチに固められてるな。
両手両足がギプスで固められているその様子は、どこぞのスーパーロボットのように見えないでもない。
確かヤマダはスーパーロボットが好きだった筈だから、もしかしたらこの状況は嬉しいんじゃないのか? ……さすがに身動き出来ない状況だと嬉しくないか。
「はははっ、元気そうで良かったよ。はいこれ。果物の詰め合わせ。ガイも食うだろ?」
「いや、それは嬉しいけどよ。……この状況でどうやって食えってんだよ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ