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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二話 魔法と少女 前編
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し、すでに管理局で働いてはいるから、大人になっても魔導師として続けていくかもしれない。

 未来のことなんて曖昧で大ざっぱだけど、それでも今は目指したい。

 誰かの役に立てる、

 誰かを守れるような、そんな魔導師に。

 対してアマネは、自身に満ちた力強い声で言い切る。

《あなたならば、必ずなれます! あなたの側にずっといた私が、断言します!》

「……ありがと、アマネ」

 不思議と、心は穏やかだ。

 思考もクリアで、気分がいい。

 一人暮らしに対する不安とか、姉さんに対する罪悪感とか、色んなものが軽くなっていった気分だ。

 だから俺は天に掲げた手のひらをぐっと握り締め、今一度誓う。

「俺は必ずなるよ。 優しい魔導師に」

 掲げ、誓った決意を胸に、俺とアマネはマンションに――――、

 ――――――『聞こえますか!? 僕の声が聞こえますか!?』。

《マスター!》

「分かってる!」

 不意に聞こえた、知らない男性の念話。

 声質からして俺とさほど年齢差はない。

 聞こえた声は必死で、緊急事態であることが伝わってくるものだった。

 俺は色んな疑問が浮かぶよりも先に、両手にあった荷物を降ろして走り出した。

「アマネ、念話の位置は?」

《特定は完了しています。 現在地より直線距離500m。 誘導します》

「頼む!」

 俺は一々人間が作った道路を無視し、最短ルートを選択して進む。

 建物の塀を越え、屋上、屋根までジャンプする。

 そして家から家へ、ジャンプしながら目的地に向かう。

「アマネ、流石にこの時くらいは魔法アリだよな!?」

《ええ、夜も深いですし、マスターが一般人に見られることはないでしょう》

 融通が利く相手で助かる、なんて思いながら俺は魔力を全身に込めて身体能力を上昇させる。

 主に脚。

 一飛びでマンションの屋上から一軒家の屋根まで飛び降り、着地できる耐久度。

 瓦などの屋根を踏んでも体勢を崩さないバランス感覚。

 そして跳躍力。

 色んな能力を魔力を流すことで可能にさせ、俺は最短ルートで目的地へ飛んだ。


*****


 到着するほんの数メートル前から、世界が変わっていた。

 いや、建物が違うとか、大地が砂漠になったみたいなことではなくて、空間が変わった。

 簡単に変化を言えば、人がいなくなった。

 夜になれば、子供くらいは家にいて当然だ。

 だけど、誰一人いないのだ。

 街にも、道路にも、家にも。

 世界は色を変え、独特な雰囲気を漂わせていた。

「結界か……ってことは、声の主が出したのか?」

《そう考
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