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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二話 魔法と少女 前編
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面会時間を過ぎ、病院を後にした俺は商店街で夕飯の買い物をした。
いくつもの買い物袋を両手にぶら下げ、夜の街を歩く。
夕飯と明日、明後日分くらいの食材と料理本。
料理は正直手をつけたことのない分野だから、料理本は三冊ほど買った。
本の種類と数が多すぎたので、枕詞に『初心者』と『簡単』が必ず書いてあるものを選んでみたけど、果たして本当に初心者でも簡単にできるのかな?
なんて好奇心も含めて買ってみたので今後、自分自身を使って検証予定。
男の間ではオリーブオイルを大量に使った料理が流行っているらしいのでオリーブオイル中心に買おうとしたら、アマネに止められた。
《マスターの健康管理も私の仕事ですので》
と言うことでサラダ油、ごま油、オリーブオイルはそれぞれ一本ずつの購入に収まった。
幸いなことに包丁やまな板などの調理器具は、引っ越しの際に荷物として運んでもらっているから問題ないし、冷蔵庫も最新のやつを用意してもらってある。
……と、ここであることに気づく。
「て言うか俺、ほとんどのこと他人任せにしてない?」
部屋、家具一式と服、その他諸々の手続き。
アマネの調整だって、俺じゃなくて定期的に艦に戻ればやって貰える。
一人暮らしと言うものだから、何でもかんでも一人でやるものだと思ってたけど、こうして改めて考えると違っていた。
《そんなの当たり前じゃないですか》
これでいいのだろうか。
そんな俺の不安に対し、アマネは気にしていないかのようにさっぱりした声で言った。
《マスターは勘違いしていますが、一人でなんでもできる人間なんていません。 ……いえ、私と言うデバイスでさえ、使い手がいなければただのガラクタに過ぎません》
それは自虐的な意味ではなく、事実を事実として語っているだけ。
だからアマネは平然として続ける。
《マスターがお住まいになっているマンションも、置いてある家具家電も、お手持ちになってる食材ですら、それは全て誰かが誰かと一緒に作っているものです。 必ずどこかで繋がって、支え合ってるのです。 だから本当の意味で『一人だけで暮らす』なんてことはできません》
一人暮らしと言う単語をバッサリ切り捨ててくれたおかげか、俺の中で不安は薄れていく。
アマネの言う通り、人は一人では何もできない。
俺自身、今日まで一人で何でもこなしてきたかと言ったらNOだ。
海鳴の街を迷子にならず歩けたのだって、アマネがいたからだ。
姉さんも同じ世界で暮らせたのは、この街に大学病院を作ってくれた人がいるからだ。
色んな人が色んなことをして、世界ができる。
誰かが誰かの支えになっていて、
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