後編
5.ハッピーハロウィン!!
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ってあるから、白飯がすすむすすむ……とばくばく白飯を口にかっこんでいたら、北上が俺をじっと見ていた。
「ん? どうした北上?」
「いやぁ、ハル兄さんも豪快さんだなぁと思ってさ」
「兄さんは止めろ。……つーか豪快さん?」
「うん。球磨姉のためにわざわざ超高級食材を買ってきたんでしょ?」
ホントにそうならかっこよかったんだけどな……当の本人の球磨は涼しい顔して味噌汁飲んでるし。
「これは本当に偶然だ。鮭児ってのは、さばいてみないとそれが鮭児かどうかは分からんものらしい。確かめることすらしなかった漁師と、それを確かめることなく仕入れた魚屋の落ち度的幸運だな」
「へぇ〜……そうなんだ」
「だからハルの手柄じゃないクマ。球磨の日頃の行いが良かったから、神様がご褒美をくれたんだクマ。ずず……」
「またそうやって球磨姉は照れ隠しで心にもないことを……」
「ブホッ?!!」
北上がそう口走った途端、球磨が口に含んでいた味噌汁を吹いていた。んん? 照れ隠し? どういうことだ?
「いやね。昨日あのあと、『ハルが覚えててくれた』って喜んでたらしいよ?」
「うわーうわー!!」
「もらった瞬間は、あまりに予想外のチョイスだったせいであっけにとられてぶっきらぼうになっちゃったらしいけど、後からじんわりうれしくなってきたみたい」
「ダメクマ!! 言っちゃダメクマッ!!」
「マジか」
「なんかね。二人で出かけた時のことを覚えててくれたとか、みんなの中で自分だけ『欲しい』って言ってたものがプレゼントされたってのがうれしかったみたい」
「ぐぁああああああ……屈辱だクマ……すべてバラされているクマ……ッ?!」
……いやいやお前ら、聞いてる俺の恥ずかしさも大概だぞこれ。なんか顔がカッカカッカしてきた……
「んでさ。私はあのままマンガに没頭したくて帰ったけど、あのあと球磨姉と二人で提督のパイ食べたんでしょ?」
「ヴォォオオオオオ?!! だ、誰にも言ってないのになぜだクマッ?!」
なんつー悲鳴を上げてるんだこの妖怪慟哭女は……。そもそもそうやって過剰反応しなきゃ『そんなことないクマ』とか言ってしらばっくれることもできたろうに。
「なんで知ってるんだろうねー? ねー大井っちー」
「大井クマ?! 大井のしわざクマ?!」
「多摩姉かもねー。キソーかもよ?」
「うがー!!!」
ん? なんか二人の会話が少し妙なような……? ……でもそんなことより、なんだこの恥ずかしい空間……すんごく逃げたいんですけど……
……あ、そういえば。今日は球磨とビス子に頼みたいことがあったことを思い出した。
「それはそうと球磨」
「妹達がそろって姉に反旗をひるがえ……クマ?」
「今日ちょっと頼みたいことがあるんだ
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