後編
5.ハッピーハロウィン!!
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、真面目に」
プレゼントの値段を言うってのは、マナー上ありえないことだと分かってはいるのだが……なんつーか提督さん、妙に真剣なんだよな……
「えーと……そんなに高くはなかったですよ? 一尾まるまるなんでそれなりの値段ではありましたけど……」
「だよなぁ……」
「?」
「どうしたクマ?」
「いやこいつな。鮭児なんだよ」
「「けいじ?」クマ?」
不覚にも、俺と球磨は同じタイミングで同じ方向も同じ角度に顔を傾け、頭の上にはてなマークを浮かべた。
「俺と同じタイミングで首をかしげるなよ妖怪ユニゾン女」
「ハルこそ球磨とシンクロしてハーモニーを奏でなくてもいいクマッ」
「夫婦ゲンカもほどほどにして俺の話を聞いてくれ」
鮭児。それは通称『幻の鮭』と呼ばれ、一尾十万円はくだらない高級食材。読んで字のごとく未成熟の鮭らしくて、脂の乗り具合が普通の鮭とは比較にならないレベル。食べればさしずめトロの如き味と鮭独特の香り。
「取れる数も年間で千本いかないほどの貴重品だ。俺みたいな料理好きなやつなら知らないヤツのいない、憧れと幻の超高級食材だな」
提督さんは、ツバをぺぺぺとまき散らしながらこの鮭児の説明をしてくれた。ここまで興奮しながら話す提督さんも珍しい……一人の男をここまで興奮させるほどの魅力が、この鮭児にはあるようだ。
「うーん……つまりどういうことクマ?」
「ハルがお前にくれたこの鮭は、すさまじくうまい鮭だということだ」
「ぉぉおおおおー!! ハルー!! よくやったクマ!!」
「ハハハ……どういたしまして」
昨日はあんなに落胆してたくせに……ゲンキンなやつだ……
そうして俺が昨日球磨に渡した鮭児は、『気合を入れて調理しなければ鮭児に失礼だ……!!』という、提督さんのいつも以上の気合の元で調理され、絶品の塩焼きという形で艦娘たちと俺に振る舞われた。ちなみに刺し身ではなく塩焼きなのは、『旨い魚を一番うまく食べたいのなら、塩焼き一択』という提督さんの妙なこだわりらしい。
「こ……これは?!」
「おいしいクマッ!! こんな鮭食べたことないクマ!!」
「いいわね……鮭の香りが身体を目覚めさせるわ……」
「この塩焼き絶品だなー……磯○慢が欲しくなるよー……」
「こんなおいしいシャケ食べたら……今晩は夜戦が……!!」
「うま……うますぎて……眠く……な……ぐー」
皆口々に、この鮭児の感想を述べ、舌鼓を打っていた。……旨すぎて眠くなるってどういう状況なの?
「ハル、感謝するクマ! みんなでうまいご飯が食べられたクマ」
「昨日はあんなに微妙な反応してたくせに……」
「それとこれとは話が別だクマっ」
「はいはい……」
しかしホントにうまいな……また強めに塩が振
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