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鎮守府の床屋
後編
5.ハッピーハロウィン!!
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具店のお姉さんに頼み込んで色々試してみた結果、これが一番ふかふかで使い心地がよかったからな!」
「ちょっと…ちょっと使わせて!!」
「構わん! 順番待ち用の長ソファーで思う様眠りこけろ!!」
「ありがとうハル!!」

 隼鷹と同じく、恋する乙女の眼差しで枕を抱きしめる加古は、そのまま順番待ち用ソファーまで行き、寝転んで枕を使い始めた。そしてその途端、

「ぉぉおおお!! この枕すげーイイ! 頭を包み込んで……あ……ヤバ……クカー……」

 と秒単位で夢の世界に陥落していった。恐るべきテ○○ュール……我ながら戦慄のまくらをプレゼントしてしまった……クックックッ……。

「ハル!! 私は?! ひょっとして夜戦?!!」
「そう急くな川内……妖怪夜戦女には、その称号にふさわしいものを用意している……クックックッ……」

 逸る気持ちを抑えられない川内へのプレゼント。それは電気屋の主御用達、暗い場所でも手を塞ぐことなく明かりを使える素晴らしい逸品だ。

「それはこれだ!! 登山用ショルダーライト!!」
「え……登山用って……え?」
「慌てるな川内。お前のその探照灯を貸してみろ」
「は、はい」

 『登山用』という部分がひっかかるのか……川内は頭にはてなマークを浮かべながら、自分の太ももから探照灯を外し、それを俺に渡した。俺はその探照灯をショルダーライトのライト部分につけかえ、川内の肩に装着してやった。

「川内、ふとももだけだと心細かろう。妹二人からは2つの探照灯を受け継いだとも聞く。これから夜戦をする時は、一つはふとももに、もうひとつはこのショルダーライトに装着して肩に装備するといい」
「なるほど!! これなら2つ一緒に使えて便利だね!」
「その通りだ! 今以上にさらに夜戦で活躍できる事だろう!!」
「やった! ありがとうハル!! 大事にする!! 神通の探照灯は今までどおり太ももに装着して、那珂の探照灯はこれで使うようにするよ!!」
「照らせ!! 夜戦の闇を!! このショルダー那珂ちゃん探照灯で照らすのだ!!」

 俺にショルダーライトを与えられた川内は、早速眠りこける加古をそのショルダー那珂ちゃん探照灯で照らしていた。突然強烈な光を照射された加古は『まぶしッ?! 何事ッ?!』と悲鳴を上げていた。

 そして次は……クックックッ……

「お前だビス子ぉぉおお!!!」
「え?! 私?!」
「いつもいつも日本人の俺に『納豆の食べ方を知らないのね』だの『クサヤの香りが楽しめないとはヤパーネリン失格よ』だの『酒盗の良さがわからないとはおこちゃまね』だの言いやがってこの妖怪国籍詐称女!! お前実は日本人だろ?!」
「そんなことあるわけ無いでしょ!!」
「だったらこれを食って祖国ドイツを思い出せゲルマン女
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