暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
後編
5.ハッピーハロウィン!!
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らんまは休みだッ!!」
『なんでー?!! いいじゃん夜戦しようよぉぉおおおお!!!』
「加古に夜戦演習してもらえよ!」
『ハルがいいのぉぉおおお!!! ハルとやせんーーー!!!』

 しつこく窓をガンガンと叩く川内の姿に恐怖を感じながら、『そういや昔、こんな感じで怖くて放送禁止になったテレビCMがあったなぁ……』とぼんやり思った。

 そして翌日。何事もなくお店も営業し、晩飯を食い終わって風呂から上がった後、風呂上がりで頭とアホ毛から湯気をもくもく出している球磨が言った。

「あとでハルのとこにみんなでトリック・オア・トリートしにいくクマッ!」
「……なんだよいつもの酒盛りと変わんないじゃんか……提督さんは? 来るのか?」
「提督は忙しくて来られないらしいクマ。でもパンプキンパイを焼いてくれたらしいから、行く時に持ってくクマ」

 提督さんのパンプキンパイ……じゅるり。

「あの人、何でも作るんだなぁ……」
「割と失敗せずに何でも見様見真似で作るクマね」
「じゃあ今日はいたずらする側もお菓子を持ってきてくれるってわけか」
「ふっふっふ〜。球磨たちに感謝するクマ!!」

 ……いや作ったのは提督さんで、お前じゃないだろう……?

「まぁいいか」
「?」

 俺はそのまま居住スペースに戻った。そしてその数十分後……、入り口が開く『カランカラン』という音とともに、子悪魔どもが俺から菓子を強奪するべく来店してきた。

「ヒャッハァァアアアアアア!!!」
「クマァァァアアアアアア!!!」
「トリック・オア・トリートだヒャッハァァァアアアア!!!」
「この一人前のレディーにお菓子をよこすのよぉぉおおお!!!」
「お菓子をくれなきゃ張り倒すクマァァアアアアア!!!」
「それともやせぇぇええええん!!! 今晩こそやせぇぇえええん!!!」
「うぁぁあ……イタズラ……されたくなかったら……寝かせ……クカー」
「それがいやならお菓子出しちゃってー」

 なんという物騒この上ない奴らだ……まさか艦娘みんなで押し寄せてくるとは思ってなかった……特に隼鷹、お前提督さんをほっぽっといていいのかよ?

「今日は提督の代理でもあるんだぜひゃっはぁぁああああ!!!」
「?」
「提督から伝言だよ!『日頃の感謝も込めてかぼちゃのパイ焼いたから食べて♪』」

 やだ……どきってしちゃう……そんなことされたら俺……好きになっちゃうよぉ……

「いい加減キモい茶番はやめるクマ」
「茶番もクソも遊んでただけだろうが……とりあえず隼鷹、提督さんにはお礼を言っといてくれ。俺からも言うけど」
「はいよー。でもそんなことよりハル! 早くお菓子をよこすんだよぉぉおおお!!!」

 作戦の日にサシ飲みした妖怪艶女と同一人物
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