第三十四話 同盟
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の場から離脱していなかったはずだ。
「まあ、あり得ないと思うのも無理は無いわね。あそこに居たサーヴァントの数とマスターの数は同じ。それ以外にはプレイヤーは居なかったから」
フィリアの言っている事は正しい。
あの場には自分たち以外居なかったはずだ。
「小僧。貴様は何故キャスターのマスターがあの場に居ないと思っている?」
沈黙していたアーチャーが口を開いた。
キリトの心を読んだかのような的確な質問だ。
「いや、あの場には俺達のほかにPohとバーサーカー。後はランサーしかいなかった。あそこに他のプレイヤーは居なかったんだ。じゃあ、誰が……」
「いつあの殺人鬼がバーサーカーのマスターだと思った」
「……は?」
殺人鬼。
Pohの事を言っているのだろうが、奴はバーサーカーの傍に立って……。
傍らに立って……。
―――――――――奴はバーサーカーの傍に立っていただけだった。
指示という指示も出さずにバーサーカーにただ暴れさせていただけ。
「……Pohは、バーサーカーのマスターじゃない……」
「ふん。ようやく結論が出たようだな」
アーチャーが鼻を鳴らして言う。
つまりは。
「Pohがキャスターのマスター。そして、奴等はバーサーカーとそのマスターと手を組んでいる」
最悪のシナリオだった。
よりにも寄って笑う棺桶の連中にサーヴァントが二体。
「正直、キャスター一体なら、私達だけでも何とかなった。でも、今は状況が変わってしまった」
全員の表情が硬くなる。
「キャスターの奴め、一人じゃ分が悪いと踏んだのか、バーサーカーのみならずランサーまでをも手中に収めおった」
ライダーは酒を一気に飲み干し、ジョッキをテーブルに叩きつける。
その顔には憤怒の表情が写っていた。
「バーサーカーのマスターはともかく、ランサーのマスターはあの気の弱そうな娘っ子だ。進んで手を貸すとは考えにくい」
「じゃあ、サチ達は」
「おそらく何らかの形で脅されている。もしくはマスターである彼女が奴等に人質とされている」
キリトの目に激情の炎が灯った
爪が喰い込むほど拳が握られていく。
「奴らが……サチを……!」
フィリアとライダーの言葉に、キリトが歯を食いしばった。
サチと一番付き合いが長いのがキリトだ。
この話を聞いて、怒りが込み上げて来ない訳が無い。
「ともかく、奴等が手を組んだ以上、此方も単体での敵への攻撃は不可能と考えたわ。だから、貴方達の力が必要なの」
「それに、協力してキャスターを倒せば令呪がそれぞれに渡されるんだろう?」
神父は協力して倒した場合には、それぞれに一つずつの令呪を進呈するといっていた。
自分達だけで討伐して
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