ヘンリー姫
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る音が聞こえた。
「姫様、いらっしゃいますでしょうか?」
私は扉を開けて、兵士に聞いた。
「どうしたの?」
「陛下がお呼びです」
お父さんが?どうしたんだろう、お説教かな?でも最近仕事が忙しいからあんまり私に構ってはくれない筈なんだけれどな。
「わかったわ」
まぁいいや。
私が兵士の後を付いていって、王の間に入るとお父さんは私に笑いかけてくれた。
なんだ、お説教じゃないみたい。
「ヘンリエッタ。今日はお前に話があってな」
お話?何のお話だろう?
「今日の昼過ぎからこの城に客人が来る。名をパパスといってな、私の知人なのだが」
何だ。どうせお客さんが来るからおとなしくしていなさい、ていう事でしょ?
そう思っていたけれど、その次の言葉は私を驚かせた。
「その人にしばらくの間お前の教育係を頼む事にした」
「えーっ!」
ただお客さんが来るだけかと思ったら、その人が私の教育係になるなんて!
「驚くのも無理はないがお前のためだ。我慢しなさい」
「で、でも父上……」
「何、安心しろ。確かパパスにはお前と同じ年頃の男の子がいる。その子もラインハットに来るみたいだからいい遊び相手になるんじゃないかな?」
私と同じくらいの男の子か。デールはお義母様が怒るから、その子を子分にでもして遊ぼうかな。
「話はこれで終わりだ。自分の部屋に戻りなさい」
私はお父さんにお辞儀をすると、自分の部屋に戻った。
「パパスとその息子。どんな人達なのかしら?」
その時の私はまだ知らなかった。
この事が私の人生を大きく変える事になるなんて。
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