2部分:第二章
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第二章
彼等は大阪の天下茶屋で働きだ。それが終わるとだ。
天下茶屋の商店街、その長い場所を歩きつつ地球の調査に入る。その様々な店の中でだ。
中年や初老の女達の話を聞く。その話はというと。
「最近どう?お店の方」
「まあぼちぼちかな」
「昨日のドラマええ感じやったな」
「そうそう、あの娘頑張ってるわ」
「阪神巨人に勝ったな」
「ああ、よかったわ」
こんな市井の話を聞くとだ。地球人がとてもだ。
好戦的には思えなかった。そしてだ。
店、菓子を売っているその店に入りだ。そのうえでだ。
店のおばちゃんにだ。こう言うのだった。
「このきび団子を」
「あれっ、兄ちゃん外人さんか?」
「はい、そうです」
こうだ。彼はそのおばちゃんに顔を向けて答えた。
「アメリカから来ました」
「ほなあれやな。バースと同じやな」
「バース?」
「昔阪神におったんや」
「阪神。野球の?」
「そや、バースもアメリカ人やった」
阪神ファンの間では今も語られていることだ。バース自身のことも含めて。
「凄い人やってんで。あんたもバースと同じやな」
「そうなんですか」
「で、あんた野球何処ファンや?」
おばちゃんは強引に野球の話にもってきた。
「阪神かいな。やっぱり」
「あっ、ソフトバンクです」
設定でそうしたのだ。特に考えることなくだ。この辺りはどうでもいいと思ってそうしたのだ。
「そのチームです」
「ああ、南海かいな」
「南海?昔大阪にあった」
「よお知ってるな。その南海や」
「ですよね。勉強しました」
これも地球、大阪を知る為の一環としてだ。そうしたのである。
「凄く強いチームだったとか」
「正直阪神より強かったわ」
おばちゃんは真面目な顔になって話す。その南海のことを。
「四百フィート打線に杉浦がおってや」
「そんなに強かったんですね」
「鶴岡親分なあ。南海だけやなくて阪神の監督もやって欲しかったわ」
「ツルオカ?」
彼のことは勉強していないグリーザだった。
「誰ですか、それは」
「ああ、南海の監督やって凄い人やったんや」
「そうなんですか」
「関西の球界のドンやったわ」
実際にそこまでの力があった。もう昔のことであるが。
「そうした人もおったんや」
「そうなんですか」
「で、兄ちゃん野球好きやねんな」
「嫌いじゃないです」
これも設定上のことだ。地球人としての。
「で、その阪神は」
「ああ、これから話したるさかい。まずはきび団子買うてや」
「はい、それじゃあ」
こうしてだ。グリーザはきび団子を買わせられながらおばちゃんと阪神の話題をするのだった。そしてその他にもだった。
天麩羅、所謂ごぼ天やホルモン、お好み焼きにたこ焼きを買って食べて
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