第36話 夜叉の姫、闇の守護騎士と対峙する
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しかも今のリオンの表情は余裕に満ちた顔だった。先程まで戦闘慣れしていないような態度とは思えないほどだった。
「っ!!」
対してシグナムは表情こそ表に出さないが背に冷たい汗を流していた。自分は間違いなく渾身の一撃を放ったはずなのに目の前の少女は難無く己が剣の一刀を捌いたのだ。再び剣を交えようと持つ手に力を加えるシグナムだったが、何とも言えぬ恐怖にその身を下がらせ、距離を置いたところでじっとリオンを睨むように見つめた。
『はぁ……はぁ……! な、なんだ?今のは……』
「へぇ、流石は闇の書守護騎士ヴォルケンリッターの将…いい勘してる。“剣の騎士”、“烈火の将”と呼ばれるだけあるわね。でも……」
そう呟いたリオンは両手に持つ双剣をまるで翼を大きく広げる鳥のように構え、一気にシグナムの懐まで駆け出し、目にも追えない速さで双剣の乱れ斬りで襲いかかる。
「すきだらけよ!!」
「ぐぅっ!!」
「ホラホラホラホラぁッ!!さっきまでの威勢はどこに行ったのかしらぁ!?烈火の将さん!まさかソレが全力とは言わないよねぇっ!?」
「くうぅっ!なめるな!」
「おっと!」
防戦一方のシグナムだったが、僅かな隙を狙って横薙ぎの一閃を走らせるが、リオンは即座に跳躍し、距離をとった。たった一度の戦闘でシグナムとリオンは完全ではないが、互いの力量を把握した。
そして歴戦の戦士であるヴィータもリオンの力量を察した故にある未来を予想した。
このままではシグナムが危ないと…
ヴィータとてシグナムと共に戦場を駆け、“鉄槌の騎士”と呼ばれた兵。戦友が簡単に負けるとは思えないが、リオンは何か得体の知れない隠し玉を持ってるとヴィータの直感が最大の警報を挙げていた。いつものヴィータなら誇りある騎士の戦いに手を出さないが今回ばかりは誇りを優先することは出来ないため、加勢する為に前に出るがソレを予測してたのかリオンは大きく叫んだ
「アナタの行動はとっくに予測済みよ!闘兵衛!狂四郎!出番よ!!」
「はっ!!姫様!!」
「待ってたぜ姐さん!!」
また新たな声と共にビルの壁から粉砕する音、上空からは銃による発砲音を響かせながらシグナムとヴィータを襲った。シグナムは自身に迫る拳からギリギリ回避し、ヴィータは頭上から降り注ぐ銃弾の雨をバリアで防御し、何とかその場をしのいだ
姿を現すのは褐色の肌に短く刈りそろえた灰色の髪。紺色の袖無しの羽織を着纏った初老の巨漢。もう一人は12〜13歳のようでリオンより幼い外見の白髪の少年。しかしその雰囲気は闘兵衛と呼ばれた巨漢に準ずる貫禄が出ていた。顔や両腕には戦いで受けたであろう多く
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