第36話 夜叉の姫、闇の守護騎士と対峙する
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頭が犬の怪人…法玄が率いる謎の部隊が姿を消し、ユーノ達の周りは静寂に包まれた。しかし、それは長くは続かなかった
「さて……」
「「「「「!!」」」」」
最初に口を開いたのは黒髪の少女……リオンと呼ばれた少女だった。クロノを筆頭に全員がリオンに対して警戒するがユーノだけは違った。
(あれ?)
最初は気が動転してよく見ていなかったが、目の前の少女の姿にユーノはどこか懐かしさを感じていた。初対面のはずなのにユーノは初めてとは思えなかった
彼女の服装は全身を隠すような真っ黒なフード付きのコート。顔は隠す気がないのかそのフードを外していた。
肩まで届く黒髪のセミロング、空色の瞳、一切の汚れがない綺麗な白い肌を晒し、ユーノはそんな彼女に見惚れていた
だがユーノ以外のメンバーが目に付いたのはリオンが持つ武器だった。両手にはそれぞれ黄金と翡翠の輝きを放つ双剣。普通の日本刀より少々分厚い刃、大陸風のデザインで柄には太極図の紋様、その容姿はデバイスなのか本物の刀なのか現段階では判別がつかなかった。
「そんなに警戒しないでよ。私はただ、あの法玄に用があっただけなんだから…」
「その言葉を聞いて『はい、わかりました』と言うと思ってるのか?さっきの連中もそうだが、君が何者かわからない以上、警戒を解かないのが普通だと思うが?」
クロノは自らのデバイス…S2Uを構えながらリオンの動きに警戒した。それに対してリオンはクスクス笑いながらも、隙を見せなかった
「ふふっ…そんなに怖がる事は無いでしょ?ボク」
「だっ!誰が怖がるか!!というか、僕は子供じゃない!!今年で14だ!!」
「え…?14?その身長で?」
「なんだその信じられないモノを見たような眼は!?」
「いや、私は今年で15だけどアンタは14でしょ?その歳でその身長って…なんか、ゴメン………」
「謝るな!そんな同情に満ちた視線を僕に向けるなぁ!!」
2人の話から察するように、クロノとリオンの身長差はリオンの方がクロノより頭一つ分高く、2人が並ぶと周りから姉弟ではないかと思われるほどの差があった。
そんな少々…いや、かなり失礼な物言いにいつもは冷静に対処できるクロノもブチ切れてしまい、若干涙目になりながら吠えた。天然なのか狙ってだったのか分からないが、クロノを弄り終えたリオンは話し始めた
「確かに私は法玄と同じ組織にいるけど、所属する部隊が違うだけよ?それだけしか言えないけどね?」
「だったら答えてもらおうか。君とさっきの犬が何者か…君たちが所属するという組織も…」
「答えると思う?」
「だったら力づくで答えてもらうだけだ」
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