三十話:成れの果て
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るスバルとティアナ。時折、飛ばし過ぎてティアナを置いていこうとしかねないスバルを叱りながら二人は順調に前へと進んでいた。
「ティア、ガジェットの反応は!?」
「あともう少しで追いつく! 一気に決めるわよ!」
「もちろんッ!」
曲がり角の一つ前でついに完全な反応を捕捉し、壁に背をつけた状態で足を止めて息を整える二人。そして、顔を見合わせて頷き勢いよく飛び出していく。すぐにガジェットがこちらに気づきレーザーを飛ばそうとしてくるがその前にティアナが一機を撃ち落とし、スバルが近づいてナックルでガジェットを粉砕する。これで残りは三体。
「スバル、防いで!」
「オッケー、ティア!」
残りのガジェットが敵とばかりにレーザーを飛ばしてくるがすぐにスバルがバリアを張りそれを楽々と防ぐ。さらに守られている間にティアナは相手のAMFを破るための二重の膜に覆われた魔力の弾丸を生み出す。そして相手の攻撃が止んだ瞬間に二人して動き始める。
「ティア、右の二体をお願い。あたしは左の大きいやつを壊すから」
「ケガするんじゃないわよ」
残った三体のうちでもっとも厄介だと思われるのはガジェットU型であろう。装甲が硬いために攻撃も通り辛く、また攻撃性も高い。だが、その程度のことで敗れるようなやわな鍛えられ方を彼女はされてはいない。
長い蛇のような腕を伸ばした攻撃を、小刻みに軌道をずらすことで避けていくスバル。そしてガジェットU型の懐付近に接近することに成功する。ガジェットU型は当然のように排除するべくその長い鋼鉄の腕を鞭のように横薙ぎに振りスバルを吹き飛ばしに来る。
しかしながら、その行動はスバルの想定の範囲内であり計画の内である。すぐさまウィングロードを創り出し、ガジェットU型の頭上への道を創り出すとともにそこを滑りガジェットU型の攻撃を躱す。後は何も考えうる必要はない。ただ腕を振るい―――
「ディバイン―――」
―――破壊するのみ。
「バスターッ!」
青色の光線がナックルから放たれ、敵を貫く。内部から食い破られたガジェットU型はひとたまりもなくその機能停止させ動かなくなる。それに満足しスバルは顔を上げてティアナの方を見る。するとあちらも同じように終わったらしくこちらに顔を向けているところであった。
「これで何とか街への被害は抑えられそうね」
「それよりこっち側に人がいるって言ってたよね。もう逃げたのかな?」
「そうね、一応確認した方がいいわよね」
もしかしたら隠れている人がいるかもしれないと二人が思ったところで水が大きく跳ねる音がする。その音に誰かが何かを落として鳴った音だと判断したスバルは小走りで音の出所に向かう。
「誰か居るんですかー!」
「あ、待ちなさいって!」
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