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八神家の養父切嗣
三十話:成れの果て
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【ガジェット反応が出ました!】
「どこですか!?」
【西と東の二方向に分かれた状態で“市街地”に向かってガジェット進行中!】

 告げられた情報はガジェットが自分達の目的地とは離れた場所、しかも正反対に向かっているという想定外の事態。一体どういったことなのかと全員が戸惑い顔を見合わせる。

 もしや市街地の方に新たにレリックの反応が出てそちらを優先したのかと勘繰るが探知担当のキャロは首を振るばかりである。ますます訳が分からなくなる五人の下にシャーリーの切羽詰まった声が届く。

【うそ…! 西側に数人の生体反応があります。至急、ガジェットの破壊を!】
「分かりました!」
「ちょ、スバル待ちなさいッ!」

 危険に晒されている人達がいると聞いた瞬間に飛び出そうとするスバルをティアナとギンガが抑え込み制御する。エリオとキャロはその行動に少し呆気にとられているがすぐに気を取り直す。スバルは若干涙目でティアナを見つめるがそれを無視してティアナは自分の考えをギンガに相談する。

「このままケースを回収しに行く班とガジェットを追う班に分けた方が良いと思いますけどどうですか?」
「うん、私もそう思っていた。ガジェット班は西と東に分かれるから東が私で西がスバルとティアナさん」
「それじゃあ、僕とキャロがケースの回収ですね」

 五人を手早く分けてあっという間に体制を整えるギンガ。その際にスバルをわざわざ日生体反応があった西に向かわせたのはどうせそちらにしか向かわないだろうなと経験から分かっていたからである。

【五人ともお願いします。今、八神部隊長が地上部隊の方にもガジェットの進行方向を伝えているけどなるべく早くね!】
『はい!』

 返事を終えると共に全速力で動き始めるフォワード陣とギンガ。その報告を受けながら六課本部で指示を出していたはやては嫌な予感を肌で感じ始めていた。地下ではガジェットが不自然な行動を起こし当てつけのようにその先に数人の命がある。さらに空では突如としてガジェットの大軍隊が現れたかと思えば幻影と組み合わせた構成隊。

 明らかに今回は相手の力の入れ方が違う。つまり今回の件は本命というものが存在するということに他ならない。それも新人達が向かった地下かヘリのシャマル達の方に。急いで隊長陣を救援に向かわせたいがガジェットの大軍隊に阻まれて進めない。

 ヴィータとツヴァイの方は手が空いているが既にフォワード陣のフォローへと向かっている最中。もとよりあの2人では大量の敵を一度に倒せるタイプではない。そうなってくると……自分が動くしかない。そう判断したはやては六課の後見人である騎士カリムとクロノへと連絡を送り、自身も動くために席を立ちあがるのだった。

 所変わり、ガジェットが向かった西側に向かい走り続け
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