31.美人に弱いのは昔から。美人が強いのは何時から?
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思い出すわぁ…
リュカが言ったとおり洞窟内に邪悪な気配はない。
殆どモンスターがいないのだ。
偶に出てくるモンスターもリュカが一瞬で倒してしまい、私いるだけ…
リュカは強くなった。
昔も6歳にしては強かったが、そう言うレベルではない。
昨日見たリュカの身体は、無駄のない引き締まった身体をしていた。
普通の人生では、こんな身体は造れない。
リュカの壮絶な人生を物語っている。
リュカはもうこれ以上不幸になってはいけない!
幸せになっていいはずだ!
サラボナのお嬢様の事は、私の耳にも届いている。
リュカの話を踏まえても、とても優しそうな良い人だと思う。
何より彼女と結婚しないと天空の盾が…パパスおじさまの遺言が実行出来ない!
私の夢は昨晩叶った…私の初めての相手が…
今度はリュカが自分の夢を叶える番だ…
フローラさんと幸せになってもらう!その為に私は協力を惜しまない。
「あれ!?誰かいる!」
リュカの優しい声が、私を思考の渦から引き戻す。
「あら?本当ね?船もなかったし、どうやって来たのかしら?」
冒険者風の男はこちらに気付くと、軽薄な笑みを浮かべ近づいてくる。
「おいおい…ヒョロいニィちゃんは女連れで冒険ごっこかぁ?」
何こいつ!腹立つ!
「ここにはお宝があるらしいが、おめぇみてーなモヤシには無理だぜ!」
リュカは気にすることなく、私の手を引いて男の横を通り過ぎる。
その時、
「きゃ!」
「ネェちゃん、良いケツしてんな!そんなヒョロいのじゃ無く、俺のぶっといので良くしてやんぜ!」
私はこの下品な男に文句の一つも言ってやろうと思った…瞬間、
私の手を握っていたはずのリュカの手が拳になり、リュカよりも頭1つ程大きい筋骨隆々男の顔面にめり込み、男を5.6メートル離れた岩壁に叩きつけた。
私は言葉を失う。
「ビアンカに汚い手で触れるな!ゲス野郎!」
多分、聞こえてない。
生きてはいるが、聞こえてない。
「リュ、リュカ!行きましょ!」
昔もそうだった。
私がソースまみれになったのを見て怒ってくれた。
今もお尻を触られたのを知ると、すごい怒ってくれた。
リュカの優しさが心を揺らす…
でもダメ!イケナイ事は昨晩一度きり!
リュカは結婚するんだから…フローラさんと結婚して幸せになるんだから…
この冒険が終わったら山奥の村へ帰り、静かに暮らそう。
結婚は…私はいいや…他の人なんて考えられないし…
ビアンカSIDE END
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