第109話 戦場は絶望を見るようです
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うに言うと、サルマクにおぶさっていたアムドゥスキアスは前に出る。瞬間、奇妙な
形の骨が纏わりつき、要塞の様な鎧と剣と盾になる。そして、掲げられた剣が怪しく輝き――
「"守って♪"」
ボコッ―――――――
剣に纏わりついた闇が膨らみ、ボコボコグチャグチャと気持ちの悪い音を立て、一瞬で大小数万個
以上の闇の塊へ膨れ上がる。膨れ続けた闇が割れ、姿を現したのは魔族。それも五体満足の魔族
ではない。全員が全員、体の部位を欠損している。それらと、天変地異の魔法がぶつかる。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!
「魔族を蘇生させたのか……!?しかも十数万体を一度に!」
「いいえ、これは……ただ蘇生させただけではないようです。」
憎々しげに声を荒げるヘラス皇帝に対し、アルは冷静にぶつかる両者を見る。
帝国守護神獣達の攻撃は、ラカン達が放った攻撃よりも強い。先程の戦況通りならば十万だろうと
五十万だろうと、固めて肉壁としているだけならば一瞬で掻き消える筈。
「うぅーん、まだ微妙だったかなぁ……。」
「どうせならば全滅するまで待てばよかったな。二乗倍程度には強化出来たやも知れん。」
「それもダルいしぃ………。」
それが防御として機能していると言う事実から、導き出される結論。"魔族を強化して蘇生"する
事がアムドゥスキアスの能力。そう踏んだアルとヘラス皇帝は指示を飛ばす。
「皆さん、魔族は倒された分、強化されて蘇ります。十五秒後に精霊砲の一斉射が行われます
ので、その機にあの子供の魔族を倒してください。」
『言うのは簡単だよなぁ!分かった、あのデカいのは俺様が仕留めるぜ!』
『では俺はあの騎士甲冑を任されよう。』
『ふえぇ、わ、私達がメインですかぁ?うぅぅう、頑張りますぅ。』
最も対応・戦闘力のある大魔導士三人がアムドゥスキアス討伐に選ばれ、エーリアスは相変わら
ずの頼りない声を上げたが、一番に魔法の詠唱を始める。
ほぼ同時に、蘇生した魔族と神獣の息吹の衝突が終わる。総数が減るどころか増加した魔族が、
アメリカ映画のゾンビの様な外見で、しかし一体一体がタイラントの力を持って一気に突撃を
仕掛ける。
「全軍、精霊砲狙え!撃てぇえええ!!」
ズギュゥウウウウウウウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオウゥ!!
しかし、それを見たヘラス皇帝の指示で精霊砲の一斉射が放たれる。甲高くも重厚な音を立て、
青白い光の柱が迫って来た強化魔族を再度薙ぎ払う。相殺出来ないと思ったのか、三魔将は精霊
砲を避け、将をアテにしていた魔族達が蜘蛛の子を散らした様に避け、逃げ切れ
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