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少年は魔人になるようです
第109話 戦場は絶望を見るようです
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化したのだ、無理もない。して、何故

彼らは下がったと思う?やはり温存か?」


続いた質問に、アルビレオはヘラス皇帝から目を背け、こめかみを押さえつつ答える。


「いえ、単純にラスボスはラスボスらしくしよう、と言う事でしょうね。」

「はぁ…………考えるだけ無駄か。二撃目が来なかった分良しとしておこう。貴殿らは?」

「作戦通り、上位を叩きます。彼等が下がった以上、指揮系統もそちらに移動している筈。」

「相分かった。して、ネギ君の仲間の少女達だが、本当に突撃艦に乗せたままで良いのか?

僅かなりとも戦力が欲しいところだと思うが?」

「彼女等はこの作戦の要。瞬発力が命です、それこそ力を温存して―――」
ズドオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

二人が作戦を話し合っていると、突如魔族群の中央が爆発し、更に巨大な影の竜の爪と巨大な

炎の剣が両翼を切り裂く。恐れを知らない魔族とは言え、僅か数分で数万の兵を減らされ動きが

鈍る。戦場が固まる中、煙の中から高らかに笑う声が上がる。


「フハハハハ!爆発は至高の芸術であると思わないかね、刹那嬢!!」

「炎系の奥義を使って後悔している所です、黙っていてください。」

「何故に主はそこまで辛辣かのう。好く理由も無いとは思うが。」


現れたのは、ネギ達と一緒に待機していた筈の刹那達三人。好きに行動するとは言われていた

ものの、こうも自由に動くと思っていなかった指揮官二人は呆然とし、魔法世界軍の動きも鈍る。

それを宮殿内で愁磨の指示で戦況を見ていた最上位の魔族達は―――


「ええい、なんたる不甲斐無さ!それでも魔族の端くれか!?これでは猊下の威信に関わる!」
ダンッ!

全軍の指揮を任されながらも、第二陣以降でのみ出陣を許されると言う命令を出された"三魔将"の

反応は三者三様。ヴァナミスの様な反応をしたのが"億月透見"のディアボロス。

筋骨隆々、身長4mと言う見た目に相応しく、頭に血が上り易い上に力任せの戦法を好むが、過去と

未来を見通す力を持つ為、優秀な軍師として任に着いている。


「お前は少し落ち着け。フフフ……しかしここまで圧倒的とは面白い。」

「どぉでもいい……あーあぁあ、早く終わらないかなぁ……待ってるのもダルいしぃ………。」


対し、冷静に笑った細身の騎士甲冑は"永傷即癒"のサルマク。名の通り、癒えない傷を与え、

また傷を癒す力を持つ魔族。そしてダルそうに垂れる、ほぼ全裸の子供姿の魔族こそが"音奏歌曲"

アムドゥスキアス。召喚者に音楽的才能を与え、自身も音楽を持つとされる悪魔と同名であるが、

それは自称。本名は"怨葬禍棘
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